AIエージェントはどう作り、どうつなぐ? Google Agentic AI Night参加レポート

著者: Lucy.·2026年10月14日 (水)
AIエージェントはどう作り、どうつなぐ? Google Agentic AI Night参加レポート

AIエージェントはどう作り、どうつなげれば、一つの仕事を任せられるのでしょうか。 まずは、それぞれの役割を決め、参照する指針と使う道具を用意します。複数のエージェントが一緒に働くには、依頼をやり取りし、結果を次の作業へ渡す仕組みも必要です。

10月13日、Googleのソウルオフィスで開かれたGoogle Agentic AI Nightに参加してきました。今回は、会場で紹介された企画・コピー・画像制作の事例を通して、エージェントの組み立て方と、A2Aで別のエージェントにつなぐ流れをお伝えします。キャンペーンを作る過程をたどりながら、自分たちの業務に取り入れる際の着眼点も考えてみます。

企画・コピー・画像を分担するAI

紹介するのは、Creative Pitch Generatorという事例です。キャンペーンのアイデアを入力すると、企画、コピー、画像制作を担当するエージェントがそれぞれ成果物を作り、最後にまとめる構成でした。

デモでは「ジェットパックを背負った動物」といったアイデアが扱われました。まずCreative Directorがコンセプトと企画の根拠を整理します。続いてCopywriterが掲載する文言を作り、Visual Directorがブランドの指針を参照して画像を生成します。最後のAssembleの段階で、文言と画像を一つの成果物にまとめます。

このように、複数のエージェントで役割を分担する方式を「マルチエージェント」と呼びます。企画担当、コピー担当、画像担当と考えると、イメージしやすいと思います。

この事例で私が取り上げたいのは、それぞれが作った結果が、次の作業につながっていることです。AIツールを個別に使う場合、人が企画内容をコピーして渡し、文言と画像を持ち寄って組み合わせます。このデモでは、その受け渡しを作業の流れに組み込んでいました。

実際のキャンペーンに応用するなら、企画の成果物にターゲット顧客と中心となるメッセージを含め、コピー担当と画像担当が共通して参照する形が考えられます。ただし、文言と画像が同じ商品や特典を伝えているかは、別途確認が必要です。


ブランドの指針を共有する

画像担当のVisual Directorの動きを、もう少し見てみます。デモでは、ブランドの指針を読み込んでから画像生成ツールを実行し、完成した成果物を保存して渡していました。

ここでいう「スキル」は、特定の仕事をするときに参照する指針のまとまりと捉えると分かりやすいでしょう。関連するGoogle公式の実習でも、ブランドのルールをスキルとして整理し、必要なときに読み込む構成になっています。

業務に置き換えると、身近な話です。ブランドで使う色、写真やイラストの雰囲気、商品の配置、使ってはいけない表現などを整理します。人がブランドガイドを参照して制作するように、AIにも繰り返し使える基準を用意するわけです。

ブランドカラーが変わったら指針を直し、生成方法を変えたらその機能を確認し、完成した画像は別途レビューする。このように、何を修正すべきかも明確になります。

一方、継続して守る基準と、今回のキャンペーンだけに使う情報は、分けたほうがよさそうです。基本のブランドカラーは指針に記載し、今週の割引率やイベントの終了日は、その都度の依頼と一緒に渡す。そうすれば、前のキャンペーンの条件が次の作業に混ざることを減らせます。


A2Aで画像担当につなぐ

デモでは、Visual Directorだけを独立したサービスとして配置し、残りの作業の流れから呼び出していました。画像制作の機能を切り出し、必要なところから接続する構成です。

そこで使われていたのが、A2A(Agent2Agent)です。独立して動くエージェント同士が、仕事の依頼、進捗、結果をやり取りするための共通の取り決めです。何を頼んだのか、作業は終わったのか、追加の情報が必要なのか、結果は何かを伝えるために使います。

複数のキャンペーンで同じ画像制作機能を使うなら、ブランドの指針と生成機能を一か所で管理し、必要なときに呼び出す形が考えられます。チームごとにシステムや運用担当が異なる場合にも、検討の余地がある方法です。

ただ、最初からすべての作業を切り分けてつなぐ必要はありません。離れたサービスに依頼を送ると、通信の遅延、認証、接続失敗への対応が加わります。エージェントが増えれば、モデルの利用料や再試行の費用にも目を向ける必要があります。

短い宣伝文なら、一つのエージェントで十分な場合もあります。同じチームで運用するなら、一つのアプリの中で作業だけを分担する方法もあります。同じ機能をどれほど繰り返し使うのか、独立して管理する理由があるのかを、先に考えるのがよいと思います。


業務に取り入れる三つの基準

自分たちの業務なら、どうでしょうか。私は、普段扱っているキャンペーンを一つ選び、情報を受け渡す過程から整理してみることをお勧めします。

一つ目は、最初に渡す情報です。「新商品の販促物を作ってください」とだけ伝えると、AIは商品の特徴や顧客層を推測することになります。商品説明、ターゲット顧客、掲載先、確定した特典を一緒に渡す必要があります。価格や期間など、不足していたら必ず確認する情報も決めておきたいところです。

二つ目は、次の作業に渡す成果物です。企画担当は中心となるメッセージ、コピー担当は掲載先に合った文言、画像担当はファイルと仕様を残す、といった形です。ファイルの保存場所と、次の担当が開けるかどうかも確認します。

実務には修正もつきものです。企画が変わったら、どの文言と画像を作り直す必要があるでしょうか。以前の企画の画像と新しい文言が混ざらないよう、それぞれの成果物がどの依頼から生まれたものかを結び付けておく必要があります。

三つ目は、実際に使えるかを判断する基準です。文言の長さや画像サイズは、自動で検査できます。商品説明が正確か、ブランドに合っているか、文言と画像が同じ特典を伝えているかは、人が見る必要があるかもしれません。制作の完了と外部への公開の間に、承認の段階を設ける理由です。

私たちの業務では、AIにどこまで仕上げてもらい、人は何を確認すればよいでしょうか。

情報が足りないときや画像生成に失敗したときに、どこで止まったのか、何をやり直せばよいのかも分かるようにしておく必要があります。費用も、再試行や人による修正の時間を含めて考えるべきでしょう。

今回のデモでは、企画からコピー、画像まで、複数のAIが役割を分担して一つの成果物を作る様子が示されました。私はこの事例を、自分たちの業務で繰り返している受け渡しや修正を見直す出発点として紹介したいと思います。よく作る成果物を一つ選び、誰が何を受け取り、どこまで仕上げるのかを整理すると、AIに任せたい部分も、より具体的に見えてくるはずです。

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参考資料

イベント案内: [Seoul] Google Agentic AI Night

関連する公式実習: Build an Agentic Pitch Generator: Orchestration, Evaluation, and Analytics with Google Cloud

エージェント間の接続規約: Core Concepts