AI学習に使われたくない作品は、公開するファイルから見直そう

著者: Lucy.·2026年10月22日 (木)
AI学習に使われたくない作品は、公開するファイルから見直そう

作品を見せなければ、次の依頼にはつながりません。ポートフォリオを更新し、SNSに新作を載せ、まだ見ぬ依頼主に届ける。その一方で、望まないAI学習に使われることが気になるなら、何を公開するかに加えて、どのファイルを公開するかも決めておきましょう。

10月21日、テヘラン路コーヒークラブで、デジタルコンテンツ保護を手がけるMORIのキム・ギュソク(김규석)代表にお会いしました。同社が提供する技術の一つが、公開前の画像にかける学習妨害フィルターです。守りたい作品を選び、処理したファイルをダウンロードして公開する仕組みです。

作品を隠したままにはできない

イラストレーターにとって、ポートフォリオは仕事の依頼につながる窓口です。企業の制作チームにとっては、ブランドを伝える顔でもあります。保護が心配だからと公開を控えれば、顧客やファンが作品を見つける機会も減ってしまいます。

韓国の通信社NEWSISは、Anthropicによる違法ダウンロードをめぐる著作権問題の和解対象に、ハン・ガンの作品も含まれたと報じています。誰に、どんな利用を認めるか。公開前に決めておきましょう。

作品を発表し続けながら、望まない学習利用に備える。そのために見直したいのが、投稿前のひと手間です。


原本とは別に、公開用ファイルを用意する

MORIのAI学習妨害フィルターは、この公開前の工程に組み込む技術です。同社は、画像に変化を加え、作品の画風や特徴をAIが学習しにくくするために設計したフィルターと説明しています。

公式案内にある手順は、画像のアップロード、フィルターの適用、結果の確認、ダウンロード。処理した画像は、ポートフォリオやコミュニティ、SNSへの投稿に使います。

たとえば、新しいイラストをSNSで発表するなら、投稿用画像にフィルターをかけ、仕上がりを確認する工程を加えます。制作データは手元に残し、公開用のファイルを別に用意するわけです。

選ぶときは、色や線が意図どおりに見えるかを、実際の出力ファイルで確認してください。提供元には、どのAIモデルで、どのような画像処理の条件で試験したのかを聞きましょう。SNSへの投稿時に起きる圧縮やサイズ変更も試験したか、導入前に確かめたい項目です。


学習を許す範囲は、作品ごとに決める

制作にAIを使っていても、自分の代表作を学習に使ってほしいとは限りません。一方で、別に用意した作品なら、条件を決めて提供したい場合もあるでしょう。すべての作品を同じ扱いにする必要はありません。

英国の著作者権利団体ALCSによる2024年の調査では、回答者の72%が、AI学習に関するライセンス制度に参加しない選択肢を持てることを期待すると答えています。許諾の条件を決めることと同じくらい、断る選択肢があることも大切です。

自分の方針に合う発表先を選ぶには、投稿先の利用規約を読んでおく必要があります。学習利用をどう扱っているか、除外するための設定があるかを確認しましょう。

作品を学習用に提供してほしいと直接打診されたら、金額の前に、許可する範囲を整理してください。「作品を使ってよい」という一言で終わらせず、具体的に決めます。

  • 今回指定した作品だけか、今後制作する作品も含むのか。
  • どの会社の、どのモデルやサービスに使うのか。
  • 他社への再提供は認めるのか。契約終了後の利用条件はどうなるのか。

この問いに答えておけば、提案を受けるかどうか判断しやすくなります。すでに顧客との契約がある作品は、まず自分がどこまで許可できるのかを確認してください。

先に利用範囲を決め、その範囲に見合う対価を考える。 自分の作品をどこまで使ってよいのか、創作者自身で決めましょう。


次の投稿前に、三つだけ決めよう

次に公開する作品を一つ選び、三つのことを決めてください。

一つ目は、どこに載せるか。 投稿先の学習利用に関する条件と、除外設定の有無を確認します。

二つ目は、どのファイルを載せるか。 学習妨害技術を使う作品なら、フィルターをかけ、仕上がりを確認した公開用ファイルを用意します。

三つ目は、何を許可するか。 学習用の提供を打診されたら、対象作品、提供先、利用範囲を決めてから返答します。

チームで制作しているなら、この三つを投稿前のチェックリストに入れましょう。投稿担当と利用許諾の判断をする人が違っていても、同じ基準で進められます。

作品が完成したら、公開用ファイルと許諾の範囲まで決める。その判断も、創作の一部です。

チームの作品公開の基準とAIの活用範囲を一緒に整理したい方は、制作しているものと公開先をAIBのお問い合わせフォーム(韓国語)からお知らせください。