Aaru、AIで消費者の意思決定を予測
- •Aaruの共同創業者は、事業判断に向けて集団の行動を予測するAIシミュレーションを提供していると説明
- •言語モデルに統計・数学モデルを組み合わせ、公開データや購入データ、提携先のデータを活用
- •顧客企業の一社は商品開発を9カ月から8週間に短縮したと、共同創業者のカム・フィンクが説明
創業から2年半のスタートアップAaruは、企業が集団の意思決定を予測できるようAIシミュレーションを提供しています。共同創業者のカム・フィンクとネッド・コーはゴールドマン・サックスのインタビューで、同社の評価額は10億ドルで、予測は商品発売やマーケティングの消費者調査に加え、金融サービスや公益事業などの判断にも使われると説明しました。フィンクによると、Aaruは大規模言語モデル(文章を処理・生成するよう訓練されたAI)だけでは企業が判断を信頼するために必要な行動の深さを得られないため、統計モデルと数学モデルも組み合わせています。
Aaruは、シミュレーションの成否を判断の速さではなく、売上向上など顧客企業の事業判断が改善したかで測るとしています。データには国勢調査などの公開情報やライセンス契約を結んだ学術研究、クレジットカードの購入履歴、レシート、音楽配信、ソーシャルメディアなどから購入した情報、独自のデータ共有提携先から得た情報が含まれます。フィンクは、顧客ごとにデータ環境をサンドボックス化し、SOC 2に準拠しているほか、顧客データをモデルの訓練に使わないと述べました。
消費者向けブランドの場合、Aaruは初期案から購入しそうな顧客の特定、商品コンセプトや味の選択、カフェイン量やパッケージサイズの調整まで、商品開発をシミュレーションできます。フィンクによると、顧客企業の一社は商品革新の期間を9カ月から8週間に短縮し、その商品は今年前半に店頭に並び、同社の以前の商品より好調でした。一方、アイデアの段階や市場参入から製造準備までに12カ月または18カ月かかる顧客もいるといいます。
同社のシミュレーションは、専門ソフトの購入者など数百人規模の集団から、米国の世帯で購入を決める人々、英国の住民、欧州連合の人々までを対象にできます。フィンクは、Aaruは個人をモデル化せず、個人を特定できる情報も処理しないと説明しました。また、アンケート結果を使って大規模言語モデルを訓練する方式から、Aaru独自のモデルを構築する方式へ移行し、技術の精度と拡張性が向上したと述べました。