Anthropic、Claudeの科学研究利用を分析

Anthropic Research2026年11月6日 (金)
Anthropic、Claudeの科学研究利用を分析
  • •Anthropicの研究者が2026年8月2日から9月30日までのClaude研究利用20万7,049件を分析
  • •データ分析はClaudeの利用の33.7%、Claude Codeでは48.1%を占め、最多の研究タスクに
  • •既存AIの普及で一部分野の研究成果は2倍に、非物理的作業の全面自動化なら最大15倍との推計

Anthropicの研究者は、消費者向けプランでのClaudeの科学研究利用を調べるため、2026年8月2日から9月30日までの研究セッション20万7,049件を分析しました。プライバシーに配慮した方法で分類し、ChatとCoworkの12万8,914件を「Claude」、Claude Codeの7万8,135件を別に集計しました。Claude Scienceから補足サンプルも調べています。研究者によると、保持したのは分野や研究タスクなどのラベルだけで、結果は一定数以上のアカウントが含まれるグループ単位で報告しました。

利用状況は分野によって異なりました。コンピューターサイエンス、工学、医学はClaudeセッションのそれぞれ11.9%、8.4%、7.7%を占めました。分野別のセッション比率と世界の研究者比率の対数同士の相関は0.79でした。コンピューターサイエンス、数学、統計学などの形式科学では研究者数に比べて利用が多く、医療や実験室での物理科学では少ない傾向でした。Claude Codeでの利用と研究者数の相関は0.62です。コンピューターサイエンスの研究者は全体の4.3%でしたが、Claude Codeのセッションでは32.7%を占めました。318の細分野を見ると、AIと機械学習の研究者は全体の1.2%である一方、Claudeセッションの5.0%、Claude Codeセッションの15.2%を占めました。

研究タスクではデータ分析が最も多く、Claudeセッションの33.7%、Claude Codeセッションの48.1%を占めました。研究者の作業時間に占める割合は27.6%でした。文章作成とコミュニケーションはClaudeセッションの32.0%で、研究者の作業時間では16.0%でした。データ収集は研究者の作業時間の28.6%を占めましたが、Claudeセッションでは11.5%、Claude Codeでは11.9%にとどまりました。臨床データや生化学データを物理的に集めるタスクは特に少ない状況でした。研究者の利用ではアイデア創出とデータ収集も少ない一方、調査では、科学的発見に最も重要なタスクとして両者が挙げられました。Claude Scienceでは、アイデア創出が利用に占める割合はClaudeの場合のおよそ2倍でした。

Anthropicは研究タスクごとの理論上のAI能力を測る指標を作成しました。指標の上位20%に入るタスクは、研究者が費やす時間から予測される水準の2~4倍Claudeが使われていました。大半が物理的作業である下位20%のタスクでは利用が少ない結果でした。報告書によると、能力スコアが高いタスクは認知的な作業である傾向もあり、試行を重ねてフィードバックから学ぶ強化学習にも適しています。

報告書のモデルは、既存のAI能力が広く導入されれば、一部の分野で研究成果が2倍になると推計しました。AIが物理的でない研究作業をすべて担う仮想シナリオでは、成果はコンピューターサイエンスと統計学で最大15倍、物理的な制約がある化学や生物学などの実験科学では3~4倍になる可能性があります。AIを積極的に使う研究者を対象とした調査では、約40%が、2030年までにAIモデルが研究プロジェクト全体を自律的に実行すると予想しました。報告書は、危険または非倫理的な研究に対する人間の監督が弱まるリスクや、研究者のキャリアと目的意識が変化するリスクも挙げています。