Anthropic、創薬提携6組織の進捗を公表

Ledge AI2026年11月2日 (月)
Anthropic、創薬提携6組織の進捗を公表
  • •Anthropic、創薬6組織との提携進捗と自社の希少疾患研究を発表
  • •マウス予備試験で抗体投与群の最大筋力と握力がおよそ2倍
  • •Envedaの文書確認、1,061ページを検証し品質確認時間を166分に短縮

Anthropicは10月27日(現地時間)、創薬に取り組む6組織との提携の進捗と、自社で進める希少疾患の治療薬研究を発表しました。Claudeは分子設計、医薬品製造文書の確認、臨床試験の計画などに使われています。Anthropicは希少な筋ジストロフィーの治療法を開発するMithril Medicineを買収し、研究を続けています。

Mithril Medicineは創業者のCody Tranbarger氏が1人で運営していた企業です。同氏はClaudeを使って11の外部研究機関との契約や実験、物流を調整していました。10月26日付の査読前技術報告によると、Anthropicは2026年7月に同社を買収しました。報告はLAMA2関連先天性筋ジストロフィーを対象に、抗体の前臨床研究をまとめています。

研究チームは、筋線維を支える構造と筋細胞膜のつながりを補うため、2種類の標的に結合する二重特異性抗体(2つの標的に結合する抗体)を設計しました。疾患モデルのマウスを使った予備試験では、抗体の一つを投与した群の最大筋力と握力が、対照群のおよそ2倍になりました。動物実験の結果であり、人での有効性や安全性を示すものではありません。

提携する6組織の取り組みは、Generate BiomedicinesがCAR-T細胞療法の遺伝子配列の一部を短縮する設計、Divergence Labsが食物アレルギー向け抗体候補の設計、BigHat Biosciencesが抗体断片の結合力や安定性を改善する候補の提案です。Envedaは医薬品製造文書の確認と規制関連文書の作成を支援し、The Column GroupはClaudeを活用して複数の創薬計画を進める新会社Pleiadesを設立中です。Bristol Myers Squibbは初期段階の臨床試験計画と成功可能性の評価にClaudeを使っています。

EnvedaのCMC Document Processor(CDP)は、製造記録を承認済み手順書などと照合し、対応が必要とみられる箇所をコメントで示します。技術報告の検証対象は、1つの臨床開発プログラムに属する4件、計1,061ページの製造記録でした。人の確認担当者が指摘した対応必要な問題11件は、CDPを複数回実行する中ですべて検出されました。Claude Opus 4.7を使った1回の実行でも、人が指摘していなかった問題7件が追加で見つかりました。

CDPの処理と人による品質確認を合わせた所要時間は166分で、支援なしの手作業にかかった1,553分(約25.9時間)の約9.4分の1でした。AIの指摘は助言として扱われ、問題への対応や製造ロットの出荷可否は人の品質部門が判断します。CDPは元の製造記録を書き換えない設計です。紹介された研究の多くは前臨床段階にあり、Anthropicは候補薬で良好な結果が続けば、最短で2028年後半に人を対象とする臨床試験を始められる状態になるとの見通しを示しました。