航空大手、整備へのAI活用を模索
- •IFS Unleashed 2026でUPS、サウスウエスト航空、日本航空の幹部が整備や人材課題へのAI活用を説明
- •サウスウエスト航空によると、新人整備士が故障診断に十分習熟するまで最長2年
- •UPSは代替部品の発見にAIを活用、日本航空はデータの分散や供給網の混乱を課題に挙げる
IFS Unleashed 2026で、UPS、サウスウエスト航空、日本航空の航空業界幹部は、航空機の整備時の故障診断を速め、退職する技術者の知識を引き継ぎ、需要の伸びに対応するため、AIの活用を検討していると述べました。IFSの顧客企業によるパネルでは、業界が輸送能力の制約と労働力の世代交代に直面する中、産業向けAIの実用例が語られました。
サウスウエスト航空の戦略・デジタルソリューション担当マネージングディレクター、DJ・ラウンズビル氏は、熟練技術者の退職が進み、需要が対応能力を上回っていると説明しました。同氏によると、新人整備士が故障診断に十分習熟するまで最長2年かかる場合があります。同社のポイント・ツー・ポイント運航では乗務員、航空機、顧客の調整が必要で、運航上の乱れが一日のうちに重なることがあります。UPSの航空機エンジニアリングマネージャー、ローレン・パーセル氏は、退職者が持つ長年の知識を引き継ぐ人材を十分な速さで育成できていないと述べました。UPSは若手の育成を速めるため、AIの活用を検討しています。
日本航空のIT・デジタル推進担当副社長、杉本圭氏は、従業員がより速く、より良い情報に基づいて判断できるようにしたいと述べました。パネルでは、整備資料や専門家の知識を提示するAIアシスタントが挙げられ、整備の繰り越し件数が減るかどうかが注目指標とされました。予防保全や供給網の問題も話題になり、杉本氏は日本航空のデータが分散しており、AI活用に向けたデータ基盤の整備を進めていると説明しました。UPSはAIで代替部品を探し、供給プロセスを速めています。パーセル氏によると、代替部品は過去1年間の重点課題でした。ラウンズビル氏は、AIが供給網の問題を予測できるようシステムを再構築する助けになる可能性も示しました。
故障の兆候を早期に見つけ、予測保全や計画保全につなげるには、整備履歴、部品、運航に関する信頼できる記録が必要だとパネリストは述べました。ラウンズビル氏は、航空会社は機材計画と人員配置を一体で考え、一方だけを最適化すべきではないと主張しました。パーセル氏は、活用可能なデータ、業務プロセス、技術が連携する必要があると説明しました。データの信頼性はそれを使うプロセスに左右され、取り組みの成否には組織文化も影響します。