AWS、AtScaleでAIエージェントとRedshiftを接続

AWS ML Blog2026年10月21日 (水)
AWS、AtScaleでAIエージェントとRedshiftを接続
  • •AWSが、Amazon Bedrock AgentCore上のStrandsエージェントをAtScale経由でAmazon Redshiftの顧客データにつなぐ構成を説明
  • •C360モデルは7つのディメンションと8つのRedshiftテーブルで構成され、売上高、注文数、販売数量などを集計
  • •AgentCore GatewayとIdentityがリクエストと認証情報を仲介し、AtScaleがクエリ計画時にロールと行単位のアクセス制御を適用

AWSは、AtScaleのセマンティックレイヤーを使い、Amazon Bedrock AgentCore上で動くStrandsエージェントをAmazon Redshiftの顧客データに接続する構成を説明しました。この手順は、同じ顧客360度分析のパターンにStardogとDenodoを使った以前の投稿に続くものです。基盤モデルにはAtScale C2026.7とAnthropic Claude Sonnet 4.6を使い、クエリの計画と作成を行います。

AtScaleは、データをディメンション、階層、ファクト、指標からなる多次元モデルとして表現します。StardogのトリプルのグラフやDenodoのビューとは異なる方式です。モデル作成者は、オープンなYAML仕様であるセマンティックモデリング言語(SML)でモデルを定義し、ファイルをGitでバージョン管理します。デプロイしたモデルは同じ定義をSQL、XML for Analysis(XMLA)、モデルコンテキストプロトコル(MCP)で公開するため、Strandsエージェントと既存のBIツールが同じ計算結果を利用できます。

例では、顧客、注文、商品、ポイント特典の情報が複数のシステムにまたがる小売企業を想定しています。以前の例と異なり、AtScaleは各多次元クエリをネイティブのデータウェアハウスSQLに変換し、単一のエンジンに送ります。この手順では分析データをAmazon Redshift Serverlessに集約します。運用上の記録元はAmazon Aurora PostgreSQLで、AWS Database Migration ServiceまたはAuroraのゼロETLレプリケーションによりRedshiftの複製を最新状態に保ちます。モデルは顧客、住所、クレジットカード、ポイント口座、購入、商品、カテゴリー、ベンダーの8テーブルに対応します。記事は関心のある列を9つ挙げ、顧客と購入をcid、購入と商品をpid、商品とカテゴリーをdeptで結びます。

サンプルの質問は、生涯支出額上位20人の顧客のうち、ポイント特典に未登録の人を尋ねるものです。モデルには顧客、住所、ポイント特典、商品、日付、ベンダーなど7つのディメンションがあり、商品からカテゴリーへの階層も含みます。fact_purchaseデータセットでは、売上高をSUM(price × quantity)、注文数をCOUNT(id)、販売数量をSUM(quantity)で計算します。顧客生涯価値、大口顧客判定、支出区分などの計算指標はクエリ実行時に業務ロジックを適用します。例では基準額を10,000ドルから15,000ドルに変更します。YAMLファイルの定義を更新してプルリクエストでレビューし、AtScaleのCIフックを通じてデプロイします。

Amazon Bedrock AgentCoreはエージェントの実行環境と認証情報の流れを担います。受信時にはAgentCore Gatewayが企業の認証プロバイダーに対して利用者のJSONウェブトークンを検証し、リクエストをエージェントに転送します。送信時にはエージェントがGateway経由でAtScaleのMCPサーバーを呼び出し、AgentCore Identityが認証情報を挿入します。開発環境や単一IDでの利用ではベアラートークンを、本番環境では同梱のKeycloakインスタンスが発行するOAuth 2.0アクセストークンをAtScaleに渡します。AtScaleは呼び出し元をロールに対応づけ、行単位のセキュリティとモデルのほかのアクセス規則を適用します。エージェントには認証情報が見えません。

AtScaleのAI計算エンジンは、エージェントが生成した多次元SQLを解析し、モデルのデータセットに含まれる参照を解決して、呼び出し元の行単位のアクセス制御を適用したうえでRedshift向けの実行計画を作ります。結合処理はETLパイプラインで事前に実体化せず、Redshift内でネイティブSQLとして実行します。投稿では自動集計管理機能も説明しています。クエリの傾向を監視し、処理コストが集計テーブル作成に見合う場合にウェアハウス内の要約テーブルを作成します。条件が合う後続クエリは、その集計テーブルを意識せず利用できます。デプロイしたモデルはSQLクライアント、ExcelやPower BIなどのXMLAツール、MCPクライアントにも提供できます。手順にはモデリング、クエリ計画、本人確認とアクセス制御のほか、AtScaleのHelmチャートとKubernetesブループリントを使ったAmazon EKSへのデプロイが含まれます。