ベイン、AI導入に向けた業務全体の再設計を提言
- •ベインは、AIの個別試験を超え、業務と人員計画を一体で見直すよう企業に提言
- •英国の銀行、顧客対応業務の専門チームを最大40人から3~4人のチームに再編
- •銀行は従来60~100日、10回超の引き継ぎを要した業務のAIワークフローを4カ月で構築
企業は、財務・調達部門が調達方法を見直し、技術部門が自動化し、運用部門が効率化を進め、人事部門が再教育や人員配置、従業員の関与を担うなど、別々に業務を変えることがよくあります。こうした分断は、作業の重複や依存関係の見落とし、抵抗、導入状況のばらつき、従業員への度重なる混乱を招く可能性があります。ベインは、個別のAI試験にとどまらず、既製技術と独自技術を組み合わせ、業務と人員計画を一体で再設計するよう提言しています。
経営陣はまず、どの仕事をやめるか簡素化するか、顧客にとって何がより有益か、AIが桁違いの改善をもたらせる領域はどこかを検討すべきだとしています。明確な成果と責任者を定めた重要業務を少数選び、目的に合ったデータ製品を使うことも勧めています。独自ツールが明確な差別化につながる場合を除き、構築より購入や提携を優先します。問題のある業務を自動化することにも警鐘を鳴らしています。「ワークフロー負債」とは、不要な会議や承認、引き継ぎ、例外処理、個別方針が積み重なって仕事を難しくする状態です。AIはその複雑さを増幅する可能性があり、AIエージェントには明確なルール、安定した引き継ぎ、整合した意思決定権限が必要です。
ベインは、顧客体験、サービス品質、コスト、速度について統合した目標を設定し、人が担う仕事、AIの支援を受けて人が行う仕事、AIエージェントが自律的に実行できる仕事を決めるよう求めています。部門横断チームの編成や人員計画、研修、明確な説明と配置転換による信頼構築、新しい業務手順と評価基準の社内システムへの組み込みも提案しています。
英国の大手銀行グループは、顧客対応のアイデアを試験または導入するまでの期間を、従来の60~100日と10回超の引き継ぎから、目標として1日に短縮しました。データ製品チームとデジタルチャネルチームは4カ月以内に、銀行の技術基盤と、複雑な推論や問題解決を行うエージェンティックAI(自律型AI)を組み合わせたワークフローを構築しました。銀行は最大40人の専門チームを、3~4人のフルスタック型の問題解決チームに置き換えました。必要な役割は再教育と採用で補い、人員削減ではなく研修と権限付与を重視したこともあり、従業員はプロジェクトを受け入れました。こうした変更により、マーケティングは継続的に学習する仕組みへと移行しつつあり、AIが顧客行動の洞察を見つけ、人が何が顧客に響くかを見極めています。ベインが示す教訓は、価値の高い業務を端から端まで再設計すると同時に、人員体制も見直すことです。