ビル・ゲイツ氏、AI安全対策への関与拡大を検討
- •ゲイツ氏、AI研究者や企業幹部、安全対策の提唱者と規制強化や自身の役割について協議
- •資金拠出や正式な活動、開始時期は未発表で、協議相手にはAnthropicのダリオ・アモデイCEOも
- •人間が担う仕事の確保やAI利用への課税、国内外の機関設置を提案し、トランプ政権の自主的枠組みと相違
ビル・ゲイツ氏はAIの安全対策に、より積極的に関与することを検討しています。技術企業の幹部や研究者、安全対策の提唱者と話し合い、監督強化を促すため個人資産を大きく投じる可能性も考えています。協議相手にはAnthropicのダリオ・アモデイCEOが含まれます。Axiosがゲイツ氏の非公開協議を知る関係者の話として報じたところでは、ゲイツ氏は他の人より効果的に企業の最高経営責任者に働きかけられると述べました。正式な活動や具体的な資金拠出、開始時期は発表していません。
ゲイツ氏は8月26日付のブログ「Gates Notes」のエッセーで、恒久的な雇用喪失、AIを使った有害行為、人間関係や心の健康への影響を3つの懸念として挙げました。顧客対応、ソフトウェア開発、製造、医療、法律の仕事では、初級・中堅職を含め、AIが労働者に取って代わる可能性があると警告しています。AIが人間の認知作業を担えるようになれば、企業がより高性能なシステムを導入する中で、若い労働者の機会が減りかねないとも主張しました。AIに任せられる仕事や責任の一部を人間のために確保し、AIの利用やロボットに課税して、職業訓練や職を失った人への支援に充てる案を示しています。
ゲイツ氏は、政府各省庁のAI政策を調整する国内機関と、国境を越えるリスクに対応する国際機関の設置も求めています。国際協力の例として、核査察や航空安全を挙げました。こうした提案は、米国のAI開発の加速と義務的規制の制限を重視するドナルド・トランプ大統領の政権の方針と異なります。6月2日の大統領令は、先進モデルの評価やサイバーセキュリティについて、開発企業が政府と協力する自主的な枠組みを各機関に作るよう指示しました。信頼できる協力先への公開前に、連邦当局が一部のモデルへ早期にアクセスする内容も含まれます。一方、AIモデルの開発、公開、配布に義務的な免許や承認を設けることは禁じています。ゲイツ氏は企業だけで統治の仕組みを決めるべきではないと述べ、AIツールがサイバー攻撃、詐欺、偽情報に使われる懸念も示しています。
今回の取り組みは、AIのリスクを深刻だが管理可能とし、パソコンやインターネットの登場になぞらえた2023年のゲイツ氏の立場より積極的です。2026年8月のエッセーでは、経済競争と地政学的な圧力により、国際的な開発減速は難しいと述べました。AIの進歩を遅らせる信頼できる国際合意を支持する一方、実現の可能性は低いとしています。