Claude、量子回路設計を最適化
- •Anthropicの研究者、Claude Mythos 5が8つの計算課題で量子回路設計を改善したと報告
- •点加算回路の設計は最小の従来案より量子ビットが12%多い一方、ゲート数は17分の1
- •主要な量子最適化アルゴリズムで最も高コストな工程を約12分の1に削減したと研究者らが報告
Anthropicの研究者らは、Claude Mythos 5が量子計算の8つの課題について、これまでに発表された最良の設計より量子ビットとゲートの使用数が少ない回路を設計したと報告しました。課題は化学、最適化、量子シミュレーション、数論、数値計算に及びます。自動評価器が設計の正しさを確認し、量子ビット数とゲート数を採点しました。Claudeは各回の間に人が介入しないフィードバックの反復で設計を修正し、一部では10倍以上の改善を示しました。研究はAnthropicのSTEMフェロー制度を通じてアンディ・グー(Andi Gu)が主導し、同社の量子物理学者アレク・ケメニー(Alek Kemeny)が指導しました。ハーバード大学のスザンヌ・イェリン(Susanne Yelin)、ミハイル・ルーキン(Mikhail Lukin)、QuEra Computingも協力しました。
研究者らは、量子回路の設計をコードで記述でき、一部の量子アルゴリズムは通常のコンピューターで効率よく検証できるため、回路を対象にしました。評価器は実行時間の代わりとして、量子ビット数とゲート数を掛け合わせて採点しました。Claudeの改善は既存回路の微調整ではなく、新たな数学的構造を見つけることで生まれました。硫化鉄分子では、その対称性と反復構造を利用して得られる結果を再利用しました。別の例では、極めてまれな入力にしか必要のない高コストの回路部品を取り除きました。
論文は、量子計算に必要な資源の大きさを背景にしています。既存の量子コンピューターは数百から数千の量子ビットを備えていますが、熱、振動、宇宙線などの環境ノイズに影響されやすい性質があります。2017年の推定では、窒素固定酵素ニトロゲナーゼに含まれる鉄・硫黄クラスターFeMocoの基底状態エネルギーを計算するには、約50兆個のToffoliゲートが必要とされました。その後のアルゴリズムの進歩で推定値は約3億4,000万ゲートとなり、約15万分の1に減りました。記事によると、物理量子ビット約300万個を備える将来の機械なら、計算に数時間かかる見込みです。こうした削減の多くは、ハードウェアの改良ではなく回路の再設計によるものです。
注目された成果の一つは、楕円曲線計算でコストのかかる工程である剰余逆数計算に関するものです。Claudeは人の介入を最小限にして53時間取り組み、楕円曲線上の2点を組み合わせる点加算回路を設計しました。通常のコンピューターで使われるアルゴリズム「divsteps」を可逆化し、量子回路を逆向きに実行するために必要となる条件付き操作の長い履歴を保存せずに済む方法を作りました。Claudeは数の組から履歴を復元する規則を導き、大規模シミュレーションで検証し、Leanで主張を形式化しました。
Claudeは履歴を回路のどの段階で保存または復号するかも変え、量子ビット数とゲート数を調整できる複数の設計を作りました。最小の従来設計と比べ、ある案は量子ビットを12%多く使う一方でゲート数を17分の1にし、量子ビット使用量と実行時間の組み合わせの幅を広げました。研究者らは、主要な量子最適化アルゴリズムで最も高コストな工程を約12分の1にする設計も報告しました。研究者らは、AIが量子回路の再設計を支援できることを示す成果であり、より少ない資源で量子アルゴリズムを実行するための一歩だと述べています。