Cohere、企業向け検索モデル「Rerank 5」を公開
- •Cohereが企業文書検索向けの「Rerank 5 Pro」と「Fast」を公開し、関連箇所を抽出するContext Focusを追加
- •Proは複合データセット46件中39件で首位、FastはNVIDIA A100で1,000トークン文書を毎秒約187件処理
- •Context FocusはBM25単独比でトークンを35%削減し、17データセットの検索エージェント精度を46%から58%に向上
Cohereは企業向け検索の再ランキングモデル「Rerank 5 Pro」と「Fast」を公開しました。両モデルはAPIと複数のクラウド基盤から利用でき、文書の関連度スコアに加えて、文書内の関連箇所を返す任意機能「Context Focus」を備えます。Cohereによると、Proは同社が検証した公開ベンチマークで首位となり、Fastは費用と応答時間を抑えながら首位に近い性能を示しました。
複合データセット46件でProは39件で首位、43件で2位以上でした。推論を要する検索のベンチマークBRIGHTではRCP-nDCG@10が82.2となり、Voyage AI Rerank 3を5.8ポイント、Rerank 4 Proを12.4ポイント上回りました。ViDoRe V3では最も強い外部競合を1.6ポイント、BEIRでは1.8ポイント、nanoMTEBでは3.4ポイント上回りました。Fastは主要4ベンチマークすべてで、Voyage AI Rerank 3 LiteとQwen3-Reranker-0.6B、Qwen3-Reranker-8Bを上回りました。
Cohereが選んだ6言語でのProのスコアは、スペイン語91.2、フランス語90.5、ドイツ語90.6、アラビア語89.7、日本語89.4、韓国語91.8でした。スペイン語、フランス語、ドイツ語、アラビア語、韓国語ではRerank 4 Proを少なくとも2ポイント上回り、社内評価の非英語19言語中14言語で首位でした。解析済みPDFの検索では47データセットの平均が89.9で、Voyage AI Rerank 3の88.4、Rerank 4 Proの88.3を上回りました。Fastは88.5でした。NVIDIA A100を1基使った継続負荷試験では、Fastは1,000トークンの標準文書を毎秒約187件再ランキングし、処理量はProの2.9倍、応答時間はほぼ3倍速かったとCohereは説明しています。
Cohereによると、Context Focusで検索テキストの半分を取り除くと回答品質は2ポイント下がり、96%を維持します。4分の3を削る設定では品質が7ポイント下がり、87%を維持します。同社は、これらの設定では品質との引き換えにコンテキスト量を最大10分の1にできるとしています。17データセットの検索エージェント評価では、BM25のキーワード検索にProを加えると精度が46%から49%に上昇しました。既定のしきい値0.1でContext Focusを使うと、タスク当たりのトークン数が19%減り、精度は57%になりました。しきい値0.4ではトークン数が34%減り、精度は58%でした。0.4での全構成はBM25単独と比べてトークンを35%削減し、精度は46%に対して58%でした。ディープサーチのベンチマーク6件では、精度が39%から52%に上がる一方、トークン数は41%減りました。
Rerank 5の関連度スコアは、文書が有用である確率に近づくよう調整されています。たとえばスコア0.7は、有用である確率が70%であることを表します。有用文書の判定しきい値はProが0.50、Fastが0.45です。独立した人手評価2組との比較では、人手評価セットでProとFastの期待較正誤差はいずれも0.058でした。NISTの評価ではProが0.057、Fastが0.058でした。API価格は100万トークン当たりProが0.05ドル、Fastが0.02ドルです。両モデルはCohere API、Model Vault、Microsoft Foundry、Amazon SageMaker、Northで一般提供され、プライベートVPCとオンプレミス環境にも導入できます。キーワード検索、ベクトル検索、またはハイブリッド検索に、インデックスを作り直さず接続できます。