Gemini 4 Argon、Python ADKを最適化

Google Developers2026年10月14日 (水)
  • •Google Cloudの技術者がGemini 4 Argonを11時間稼働させ、Python ADKのコードを最適化
  • •提案6件のうち2件を採用し、長時間セッションの準備時間を約40%、パッケージ読み込み時間を21%短縮
  • •158ターンの実行時間は65.6秒から56.1秒に短縮、残る4件は保守担当者が却下

Google Cloudの技術者ジョージ・ウィール(George Weale)、ボー・ヤン(Bo Yang)と開発者向けマーケターのアンドリュー・ビアナット(Andrew Biernat)は、Google Antigravity上でGemini 4 Argonを使い、Python Agent Development Kit(ADK)の約20万5,000行、約800ファイルのコードを最適化しました。無人で11時間稼働させた結果、提案された6件の変更のうち2件が採用されました。チームによると、長時間セッションでメモリー上のセッションを準備する時間は約40%、パッケージの読み込み時間は21%短縮しました。リポジトリーには約17,000件の単体テストがありました。

夜間の実行前に行った約2時間のテストでは、リポジトリー固有の指示がなく、セッションの複製とパッケージ読み込みの遅さを見つけた一方、保守担当者の規約を把握できませんでした。Argonは認証モデルの公開JSONスキーマを変更し、モックイベントの例外を見落としました。また、関連する216件のテストだけを実行し、プルリクエストの説明にはベンチマーク結果を記載しませんでした。2回目の実行では、技術者が保守担当者の指針を「.agents/skills」に追加し、要点を記した「SKILL.md」から個別の参考ファイルへ案内する構成にしました。コンテキスト圧縮後も作業を維持する「/goal」モードも有効にしました。公開APIとモデル入力を変えず、回帰テストを追加し、マージせずにレビュー可能なプルリクエストを開くよう指示しました。

11時間の実行中、Argonはガイドラインファイル12件を読み、4種類の負荷をそれぞれ30回測定しました。対象はパッケージの起動、200ステップの会話、タスクを引き継ぐ20個のサブエージェント、12ノードのワークフローです。Argonは32ファイルにわたる最適化案を6件出し、保守担当者はレビュー後に2件を採用しました。1件は、セッション履歴を複製前に絞り込み、Pydanticの汎用ディープコピーを、循環参照に対応し共有状態の辞書とテスト用モックを保つコピー処理に置き換えました。もう1件は、ライブ音声・動画、OpenTelemetry、FastAPI、Starletteなどの重いパッケージを必要になるまで読み込まないようにしつつ、公開属性をテストで差し替えられる状態に保ちました。

却下された4件のうち、複数エージェント用イベントキャッシュは合成ベンチマークを17%改善しましたが、古いデータを返す恐れがありました。ほかの案は、OpenTelemetryの非公開属性に依存するテレメトリー確認、コードの可読性を下げても手元のベンチマークで全体の遅延を改善しなかった会話履歴の書き換え、日常的なエージェント実行には役立たず合成テストだけを複雑にするワークフロー再生用インデックスでした。採用された変更は22ファイルに及び、テスト関数17件を追加しました。ADKチームのレビュー後、変更は「Argon generated these changes(Argonがこれらの変更を生成)」というコミット説明とともにメインブランチに入りました。

Argonが見ていない独立した保留ベンチマークでは、即時応答するモデルとツールを使ってフレームワークの処理時間を測定し、各結果は6~12回の実行の中央値としました。変更前後でモデルに渡したリクエストはバイト単位で同一でした。「google.adk」の読み込みは21%速くなりました。一方、別プロセスを起動して最初のモデルリクエストを送るまでの時間は、遅延読み込みされたモジュールが初回のターンで読み込まれるため、3.07秒から3.09秒へほぼ変わりませんでした。ツールを呼び出す158ターンの実行時間は65.6秒から56.1秒に短縮しました。モデル実行前のセッション準備時間が約40%減るという結果は「InMemorySessionService」に限られます。チームによると、外部データベース、SQLite、Geminiプラットフォーム、Firestore、Redisの各ストアでは読み取り時間は変わりません。

企業の開発者は、GeminiプラットフォームAPIでモデルID「gemini-4-argon」を指定するほか、Google AI StudioとGoogle AntigravityからGemini 4 Argonを利用できます。Googleはモデルカード、開発者ガイド、Python ADKのクイックスタート、マージ済みプルリクエスト、ベンチマークのコミット、そして「.agents/skills」の構成も開発者向けに案内しました。