Google、Gemini 4 Argonの活用例を公表

Google DeepMind2026年10月14日 (水)
  • •研究、ソフトウェア開発、ロボット工学、専門業務にまたがる活用例を提示
  • •推論を2.85倍高速化し、700超の訓練環境を移行したと報告
  • •量子計算の処理量はほぼ倍増、希少疾患評価で57%と52.2%を記録

Google DeepMindは、研究、ソフトウェア開発、ロボット工学、専門業務向けモデルとしてGemini 4 Argonを提示し、社内チームや提携先による事例と評価を紹介しています。Googleによると、Argonは動画から奥行きや物理的な境界を推定し、環境を再現するコードを書くことで、物理法則に沿ったシミュレーションを生成します。また、脆弱性修正のCWE-Benchで68%を記録し、Fairwind Programの提携先は数百社に広がっています。

Googleは、ArgonがChromeチームによるChromiumのコード整理を支援したと説明しています。総計4,000万行のコードベースから約600万行の旧式フォルダーを分離する作業で、数百のファイルを改修し、Googleによれば数カ月ではなく数週間で完了しました。この変更により、ウェブページを再読み込みせずにタブ、サイドパネル、フローティングウィンドウ間で移動でき、ブラウザーがクラッシュする一種の原因もなくなるとしています。量子化学では、研究者がAntigravity上でArgonを使い、オープンソースのxTBを改良しました。分子構造の予測は最大2.3倍、配座探索は1.8倍高速化し、変更はxTBのGitHubリポジトリーに提供されました。

GoogleのAgent Development Kitチームは、ArgonでPythonフレームワークを最適化しました。一晩の作業で、長時間セッションのメモリー内準備時間が40%、初回読み込み時のインポート時間が21%短縮されました。Googleはさらに、vLLMを使ったA100上のエンドツーエンド推論が2.85倍高速化し、Gemma 4 E2Bの処理量が毎秒約37,900トークンから10万8,000トークン超に増えたと報告しています。トークンの一致率は100%で、品質低下はなかったとしています。Argonは5つのリポジトリーにある700超の訓練環境を移行し、タイムアウトやレースコンディション(複数処理の実行順によって結果が変わる不具合)に関するバグを16件超発見しました。Googleによると、作業時間を955時間削減し、年間約540時間かかっていた整理作業を3時間の更新に短縮しました。

提携先も各分野の結果を報告しています。BoxはGemini 3.1 Proより精度が14%向上したとし、Keplerはアナリスト作成の金融参照モデルと数値の99%超で一致したと述べました。Cartwheelは3D再構成の実行時間がほぼ100分の1、トークン使用量が90%減ったと報告しています。Quadrillionによると、社内研究評価を同業モデルより1.5倍速く完了し、タスク当たりの費用は4分の1でした。これらは提携先による初期評価で、共通の単一ベンチマークに基づく結果ではありません。

Googleは、量子計算、核融合、希少疾患診断、酵素設計の研究例も挙げています。量子誤り訂正では、ArgonがAlphaQubitの社内版を最適化されたハードウェアカーネルに変換し、推論スループット(単位時間当たりの推論処理量)をほぼ倍増させました。arcsinサブルーチンの形式検証済み実装は、公表済みの量子CORDIC基準方式と比べ、時空間コストを100倍超削減しました。Googleとメリーランド大学のマット・ランドリーマン教授は、ステラレーターの磁場に関するGrad予想への反例を、より広い範囲で見つけたと報告しています。Gamow Labsは匿名化した新生児ゲノムの解析にArgonを使い、通常のソフトウェアが見逃した染色体再構成を特定しました。同社の評価で、希少疾患診断支援のRareBenchは57%、ウェットラボ推論のLabBenchは52.2%でした。酵素設計についての記事の記述は文の途中で終わっており、結果は示されていません。