Google、Gemini 4 CarbonでAI評価首位
- •Gemini 4 CarbonがAAIIで59点を獲得し、52モデル中1位
- •コーディングエージェント指数で59点、サイバーセキュリティ評価でも高成績
- •一部の専門家に先行提供、一般公開の日程は未発表
Google DeepMindは現地時間28日、公式ブログでフラッグシップモデル「Gemini 4 Carbon」を発表しました。CarbonはArtificial Analysis Intelligence Index(AAII)で、推論強度「High」の条件下で59点を獲得し、評価対象52モデルの首位となりました。Claude Opus 5.5は58点、GPT-6 Astraは57点、前モデルのGemini 4 Argonは50点でした。AAIIはコーディング、推論、科学的問題解決、専門業務などを測る9つのベンチマークを集計します。
Googleがこの評価で首位になったのは約11カ月ぶりです。昨年11月18日に公開されたGemini 3 Proは当時、GPT-5.1を3点上回りましたが、その後OpenAIとAnthropicが新モデルを公開して首位が入れ替わりました。Carbonは、9月末に初公開されたArgonが10月13日に開発者向けに正式公開されてから約2週間後に発表されました。Google DeepMindのコライ・カブクオグル上級副社長は、Carbonはサイバーセキュリティと長時間の作業能力を備えた同社最強のモデルだと述べました。
Googleによると、Carbonは複数段階の作業を計画し、失敗した方法を修正しながら複雑な仕事を自律的に続けるよう設計されています。社内研究者は、モデルが数日間エンジニアリング作業を行い、大規模なコードにある複雑なエラーの原因を追跡して修正した事例を確認しました。作業範囲を逸脱する行動は26%、必要な作業を実行できなかった事例は29%減りました。コーディングエージェント指数では59点で、Claude Opus 5.5の62点に次ぐ2位でした。Terminal-Bench 4.0で64%、FrontierCode v1.1で51%を記録し、両評価でも2位となりました。
サイバーセキュリティ評価では、実際のソフトウェアの脆弱性を見つけるSEC-Bench Proで88.2%、脆弱性を悪用できるか確認するExploitGymで54.8%、脆弱性を修正するCWE-Benchで71.0%を記録しました。Googleは、安全なコードを生成できた割合がArgonの2倍を超えたとしています。Chrome開発チームの評価では、他のAI研究機関の大規模モデルを10倍以上上回る品質のセキュリティパッチを作成しました。社内の安全性評価では、深刻なアラインメント違反の警告が約80%、十分な根拠なしに事実を主張する行動が約50%減りました。プロンプトインジェクション攻撃の成功率はArgonの0.7%から0%に低下しました。
Vals AIの専門業務評価「Vals Index v2.2」では、金融、法律、コーディング、税務を評価した29モデルのうち、Carbonは70.36%で2位でした。Claude Sonnet 5.5は70.85%で1位、Claude Opus 5.5は70.18%でした。Carbonは金融総合指数と法律研究ベンチマークで1位、金融モデリングで2位、税務エージェントで3位となりました。一方、Argonより出力トークンを64%多く使い、金融・税務エージェントの作業には2倍以上の時間がかかりました。法律研究は1作業あたり50分を超えました。金融モデリングとターミナルでのコーディングはArgonより速く正確で、評価作業全体の費用は1件10.51ドルと、Claude Sonnet 5.5の18.70ドルを下回りました。
Artificial AnalysisのAA-Benchcaseでは1,609点を獲得し、Argonの1,483点を126点上回りましたが、Kimi K3.1 Pro(1,678点)、Muse Wonder(1,659点)、Grok 4.7(1,638点)には及びませんでした。AA-Omniscienceでは54点で首位となり、Claude Opus 5.5を6点上回りました。正答率はArgonの48%から58%に上がった一方、幻覚率は4%から11%に上昇しました。同じ評価でClaude Opus 5.5とGPT-6 Astraの幻覚率はともに50%でした。Artificial Analysisは、Carbonの幻覚率はArgonに次いで低いと評価しました。
Carbonは最大100万トークンのコンテキストウィンドウ(モデルが一度に処理できる情報量)に対応し、テキスト、画像、音声、動画を入力できます。出力形式はテキストです。パラメーターの規模と具体的な学習構造は公表されていません。APIの初期価格は入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドルで、割引終了後はそれぞれ4ドルと20ドルに倍増します。割引終了時期は未公表です。通常価格での作業あたり費用は7.76ドルで、Claude Opus 5.5の10.04ドルより約23%低く、GPT-6 Astraの6.25ドルより高くなります。評価で生成した出力は約2億トークンに達し、比較対象モデルの中央値である6,400万トークンの3倍を超えました。
Googleは今週から一部のサイバーセキュリティ専門家にCarbonを提供し、Fairwindプログラムを通じて審査済みの協力企業にもアクセスを広げる予定です。同社は米国政府による発売前モデル評価にも参加しています。一般の開発者、企業、消費者向けの正式公開時期は公表されていません。Googleは初期利用者のフィードバックを基に安全対策を検証してから、利用対象を広げる方針です。