Google、Gemini Omniで会話型動画編集

KDnuggets2026年10月28日 (水)
Google、Gemini Omniで会話型動画編集
  • •Googleは2026年5月19日のGoogle I/OでGemini Omniを発表し、同日、一般向けにGemini Omni Flashを提供開始
  • •APIプレビューは6月30日に始まり、8月27日にGemini Omni 1.1 Flashとして一般提供、動画は最大40秒まで延長可能
  • •動画出力は720pの10秒クリップで約1.01ドル。会話しながら編集できる点を、一度の生成との違いとして説明

Gemini Omniは、会話を通じて動画を生成・編集するGoogleのモデルです。Googleは2026年5月19日のGoogle I/Oで発表し、同日、GeminiアプリとGoogle Flowを通じてGemini Omni Flashを一般向けに提供しました。Google AI Plus、Pro、Ultraの加入者が利用でき、YouTube ShortsとYouTube Createでは無料で提供されました。Googleが強みとして挙げるのは、プロンプトを改めて入力して動画を作り直すのではなく、キャラクターや物理法則、場面の細部を保ちながら、会話を重ねて動画を修正できる点です。

開発者向けプレビューは2026年6月30日にGemini APIで始まり、識別子はgemini-omni-flash-previewでした。2026年8月27日にはGemini Omni 1.1 Flashとして一般提供に移行しました。この版では、動画の最後の10秒を分析して場面を延長する機能、最大40秒まで積み重ねられる延長、低価格の360p下書きモード、アップロード動画を使ったスタイルやキャラクター参照の処理改善が加わりました。一般提供中のAPIモデル識別子はgemini-omni-1.1-flashで、Google Cloudの文書には以前のプレビュー識別子も残っています。

モデルはテキスト、画像、音声、動画を組み合わせて入力できます。テキストからの動画生成、画像からの動画生成、指定した最初と最後のフレーム間の場面転換、画像や短い動画を使った対象またはスタイルの参照に対応します。編集セッションではインタラクションIDが後続の指示を引き継ぎます。Googleは「世界知識によるグラウンディング」を、重力・流体力学・運動量などの物理概念と、Geminiが持つ歴史・科学・文化の知識を組み合わせる仕組みだと説明しています。動画は連続する10秒単位で、最大40秒まで延長できます。

GoogleはOmniのアーキテクチャを詳述する技術論文を公開していません。Gemini Enterprise Agent Platformのモデルカードによると、入力上限は131,072トークン、出力上限は約57,920トークンです。API料金は入力が100万トークン当たり1.50ドル、テキストと推論の出力が100万トークン当たり9ドル、動画出力が100万トークン当たり17.50ドルです。720p動画は1秒当たり5,792トークン、約0.10ドルで課金されるため、10秒のクリップは動画出力だけで約1.01ドルです。APIに無料枠はなく、360p下書きモードは編集を試す際の低価格な選択肢です。

2026年8月下旬時点で、Gemini Omni 1.1 FlashはLMArenaの利用者投票によるテキストから動画へのランキングで1位、画像から動画へのランキングで2位でした。記事は、会話型編集がOpenAIのSoraやRunwayのような一度の指示で生成するツールとの違いだと説明しています。一方、料金は1秒当たり0.10ドルでGoogleのVeo 3.1 Fastと同水準です。修正せずに1本の動画だけを作る利用者には、同程度の価格の選択肢と比べて実用上の利点が小さい場合があります。

音声や会話の編集には対応しておらず、現在のAPIでは音声を個別の参照素材として入力できません。Googleはほかの種類の音声入力への対応を予定しています。アップロード動画の編集・延長は欧州経済領域、スイス、英国では利用できません。未成年者や一部の著名人を識別できる人物に関わるコンテンツのアップロードや編集も制限されています。Googleがプロンプトを十分に評価した言語は英語のみで、ほかの言語での性能は体系的に検証されていません。