Google、10月のAI発表を総括
- •GoogleはGemini 4 Argonを世界展開し、2週間後にGemini 4 Carbonを発表
- •Genie 4は音声付きのリアルタイムシミュレーションを実現し、Carbonは公開前テスト中
- •AMIEは診療準備を75%の症例で支援し、最終診断との一致率は90%
Googleは2026年10月、Gemini 4 Argonを世界展開し、2週間後にGemini 4 Carbonを発表しました。最先端の推論モデルと説明するArgonは、複雑なコーディング、財務分析、法務業務向けに、開発者、企業、科学者、一般利用者に提供されました。利用先はGoogle AI Studio、Gemini API、Google Cloud、検索、Geminiアプリで、ロボット向けのGemini 4 Argonも支えます。Googleによると、Carbonは長期にわたるエンジニアリング業務とサイバー防御に向けた同社最強のモデルです。より広い公開に向けて安全対策を調整しながら、米政府や信頼できるサイバー防衛担当者とFairwind Programを通じた公開前テストを進めています。
Googleは、物理法則、人間らしい動き、音声を備えたリアルタイムの対話型世界シミュレーション「Genie 4」も発表しました。利用者は自然言語の指示で、展開中の場面を操作できます。Googleは、ロボットやAIエージェント向けの安全な訓練環境に関する取り組みを前進させるものだと説明しています。AI生成の画像、動画、音声を確認する「SynthID Detector」は英語で世界展開されました。Googleによると、SynthIDで透かしを付けた画像・動画は1,800億点超、音声は24万年分に上ります。検索、Chrome、Geminiの検証ツールは1日100万件超のリクエストに対応し、SynthID DetectorはOpenAI、NVIDIA、Kakao、AppleのAI生成コンテンツも識別できます。
AndroidのGoogleメッセージには、利用者が選択して有効にする「Enhanced protection」モードが加わります。Googleによると、Googleの電話アプリとメッセージに搭載されたAI詐欺検出機能は、すでに毎月500万件超の詐欺の疑いがある通話やテキストを警告しています。新モードはPrivate AI Computeとクラウド上のGeminiモデルを使い、巧妙な会話型詐欺を検出します。チャットの警告を拡充し、通話転送や画面共有への防御も強化します。
医療分野では、Googleとベス・イスラエル・ディーコネス医療センターの研究者が、実際のプライマリケア診療で対話型医療AI「AMIE」を評価しました。AMIEは患者の病歴を集め、緊急診療の前に臨床要約を作成し、症例の75%で医師の準備を支援しました。医師が最終的に挙げた鑑別診断との一致率は90%でした。別途、Google Fitbit Edgeは最大7日間のバッテリー駆動と50種類超の活動の運動認識に対応します。GoogleはGoogle HealthとFitbit Airで55件超の更新を展開し、写真による食事記録や、長期的な血圧・インスリン抵抗性の傾向を追跡する機能を加えました。
Googleは、Gemma 4アーキテクチャを基にしたパラメーター数7億4,000万のオープンな埋め込みモデル「EmbeddingGemma 2」も発表しました。日常的な端末上でコード、画像、動画、音声を共通の空間に写し、モジュール設計によってローカルのベクトル保存量を最大6分の1に減らします。これにより、プライベートでオフラインの検索アプリを支援します。Google初の「Project Suncatcher」試作衛星は、宇宙空間のデータセンター級TPUからAI生成の俳句を返しました。同社は、ハードウェアが打ち上げに耐え、軌道上でAI処理を実行できることを確認したと説明し、今後は放射線と極端な温度環境を調べます。
Research@ 2026では、Googleが実験的な地理空間推論エージェントを実演し、技術論文向けのDeep Reviewを一般公開したほか、インフルエンザによる入院予測で最高順位を報告しました。Google.orgは、AIで科学的発見を加速する17団体に3,600万ドルを助成しました。Science誌に掲載された研究で、Google Quantum AIは量子プロセッサーWillow上で「マジック状態の生成」が機能し、未処理の状態と比べて誤りを約40分の1に減らすことを示しました。Googleによると、高純度のマジック状態の生成は、従来、量子コンピューターの資源の最大95%を消費する恐れがありました。同社はこの手法を、大規模でフォールトトレラントな量子コンピューターに向けた一歩と位置付けています。