OECD、AI報告枠組み「HAIP 2.0」開始
- •OECDは2026年5月、信頼できるAIの取り組みを公開報告する任意の枠組み「HAIP 2.0」を開始
- •CeSIAの分析では、31の質問の80%がEU要件を扱い、58%が強い、または部分的に整合
- •EU AI法は拘束力を持つ一方、HAIP報告は任意で、OECD.AIを通じて公開
OECDは2026年5月、AIのバリューチェーン全体の組織が、信頼できるAIを促進する取り組みを公に報告できる任意の枠組み「広島AIプロセス(HAIP)」の第2版を開始しました。2026年6月にフランスAI安全センター(CeSIA)が行った対応関係の分析では、HAIP 2.0の質問の80%がEU AI法と汎用AI行動規範(CoP)の要件に関係し、そのうち58%が強く、または部分的に整合していました。EUの法令順守のために準備した情報を、HAIP報告の資料としても活用できます。
HAIP 2.0には31の報告質問があり、モデル開発者、アプリケーション提供者、導入者、中小企業向けに質問を調整しています。チェックボックス、はい・いいえの分岐、条件に応じた追加質問を使う形式で、企業や報告書の比較を支援します。システミックリスクの透明性に関する質問は、CoPの安全・セキュリティに関するモデル報告の約束と重なります。能力や傾向のしきい値についての質問も、それらの特性や機能をシステミックリスクの要因として特定するCoPの規定と重なります。枠組みはEU制度、NISTのAIリスク管理フレームワーク、ISO/IEC 42001の用語も再利用し、多言語評価や匿名化した利用統計についての質問など、ニューデリー・フロンティアAI影響コミットメントの要素も含みます。
各枠組みは法的拘束力と情報開示の規則が異なります。EU AI法はEU域内で拘束力と執行力を持ち、義務は事業者の役割とAIシステムまたはモデルのリスク分類によって異なります。CoPの対象は汎用AI提供者に限られ、透明性と著作権の章はすべての提供者に適用されますが、安全・セキュリティの章はモデルがシステミックリスクをもたらす提供者に限られます。CoPへの準拠は任意ですが、拘束力のあるAI法上の義務を果たしていると示す助けになることを意図しています。署名者は自社のプラットフォームで報告書を公開し、他言語での公開義務はありません。AI法に基づく報告の大半とCoPのモデル報告は引き続き非公開で、後者は要約が公開されます。
OECDに提出されたHAIP報告はOECD.AI政策観測所で公開され、研究者、市民社会、メディア、公的機関、産業界が閲覧できます。参加対象はOECD加盟国、GPAI加盟国、OECDの人工知能に関する勧告を支持する法域に拠点を置く組織です。HAIPはEUの報告義務に取って代わるものではなく、対象組織がガバナンスの取り組みを国際的に見える形にし、比較できるようにする追加の公開手段です。2026年5月の改定版開始時には50を超える組織が報告を約束しましたが、著者らは、実際に完全な報告書を提出し、更新を続ける組織数が普及の試金石になると述べています。
EU AI法は、禁止行為に対して最大3,500万ユーロまたは世界年間売上高の7%のうち高い方、その他の違反には最大1,500万ユーロまたは世界年間売上高の3%のうち高い方の制裁金を定めています。HAIPへの参加は任意で、不参加に罰金はありません。参加の動機には公的な可視性、評判上の価値、国際比較、取り組みの共有があります。CeSIAは31の質問それぞれをEU法とCoPに照らし、「強い」「部分的」「弱い・間接的」「対象外」の4区分で評価し、実質的な重なり、法的拘束力、対象となる主体、公的開示を検討しました。著者らは、示された割合はCeSIA独自の分析であり、OECDやEUの公式評価ではないと注意を促しています。