HubSpot、AI無料試用で短期的な逆風を受け入れ
- •HubSpotはAIを無料で試せるようにし、成果連動型の価格設定で導入の壁を下げる方針
- •エージェンティックAIの試用は64%増加、複数の関係者と商談した場合の受注率は約3倍
- •北欧・ベネルクスの価格実験を経て、第4四半期にEMEAの新規顧客へ拡大する計画
HubSpotのヤミニ・ランガンCEOは、顧客がAIを購入前に試せるようにするため、短期的な業績への逆風を受け入れていると述べました。同社は今年前半、導入の障壁を下げる狙いで無料試用と価値・成果に連動する価格設定を導入しました。ランガン氏によると、顧客は購入前に、自社データと自社環境でAIが機能することを確認したいと考えています。この方針で販売期間が延びる場合があり、AI関連の購買上の難しさや予算への慎重さから生じた不確実性は、同社の見通しでは年末まで続くとされています。
HubSpotによると、エージェンティックAI(自律型AI)の試用は過去3カ月で64%増えましたが、有料利用につなげるには個別の支援が必要です。同社は試用開始時の案内を改善し、顧客が明確な成果を得られるようパートナーやソリューションコンサルタントを関与させています。ランガン氏は、営業戦略を、経営幹部や購買委員会のより多くのメンバーに早い段階から働きかける形へ移していると述べました。委員会のメンバーが5人以上いる商談では、複数の関係者と接点を持つ場合の受注率がほぼ3倍で、Cスイート幹部が参加した場合も受注率が高いと同社は報告しています。
顧客のニーズは商談規模によって異なります。小規模顧客は価格に敏感で、AIの実験やツール全体の支出を管理したいと考えています。大企業は、見込み客開拓エージェントによる販売機会の増加や、カスタマーサービスエージェントが解決する問い合わせ件数などの成果を重視します。HubSpotによると、コンサルタントとパートナーは試用開始後に顧客を支援し、小規模顧客向けのセルフサービス案内ではメールとカレンダーを接続して迅速な成果を目指します。12万ドルを超える商談は前年比19%増え、エージェント利用事例全体の月間クレジット消費量は年初から約2.5倍に増加し、アクティブなコアシート数は前年比34%増えました。
HubSpotは製品の価格体系も変更しています。2024年にはシート価格を引き下げ、Sales HubとService Hubの最低シート数を撤廃し、コアシートを導入しました。ランガン氏によると、平均販売価格は当初下がりましたが、顧客数と該当顧客群の継続率は改善しました。次の段階では、プラットフォームのAI機能とデータへのアクセスを提供するシートに、AI利用量や顧客成果に応じて増えるクレジットを組み合わせたハイブリッド型を計画しています。
北欧とベネルクスでの試験導入では、Hubごとの個別契約をなくし、Marketing、Content、Data HubのStarterからProへの価格差を縮小します。送信メール数、解決した問い合わせ件数、データ補完、APIなど、利用量に応じて変わる機能にはクレジットを適用します。同社によると、この試験では平均販売価格が下がる一方、Pro以上の顧客数が増え、対象顧客群のクレジット使用量は2倍から3倍になりました。第4四半期にEMEA全域の新規顧客へ試験を拡大し、その結果を基に他地域での展開時期を判断する計画です。