IBM、Granite Speechを3モデル更新
- •IBMがGranite Speechの新モデル1種と既存モデル2種の改訂版を発表
- •Granite Speech 5.0 2Bは英語平均WER 5.06%、キーワード最大2,000語に対応
- •Turbo CTCは19,870 RTFxを記録、4.1 2B Plusは長時間音声のWERを24%削減
IBMは2026年10月21日、Granite Speechシリーズの3モデルを更新したと発表しました。新モデル「granite-speech-5.0-2b」と、改訂版の「granite-speech-5.0-470m-turboctc」「granite-speech-4.1-2b-plus」です。多言語の文字起こしと翻訳、端末上での高速処理、複数話者の録音を対象とします。3モデルはApache 2.0ライセンスで公開され、Transformersに標準対応します。
Granite Speech 5.0 2Bは、パラメーター数を維持したままgranite-speech-4.1-2bを引き継ぐモデルです。日本語の音声認識、キーワードを反映した認識、翻訳に向け、公開音声390,000時間と合成データで学習しました。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、日本語を文字起こしでき、これらの言語と英語の間で翻訳できます。また、英語からイタリア語と中国語(標準語)への翻訳にも対応します。プロンプトで入力言語を指定でき、最大2,000語のキーワードリストを渡せます。IBMのテストセットにおける大文字表記のF1スコアは89.7~99.5でした。IBMによると、英語の平均単語誤り率(WER)は5.06%で、主要なオープンウェイト音声認識モデル中2位です。この順位は非公式で、2026年10月15日時点の公開英語短音声テストセットに基づきます。
改訂版Turbo CTCは470Mパラメーターの規模を保ち、英語に加えて日本語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語の文字起こしに対応しました。句読点と大文字表記を標準で出力し、残響のある音声や離れたマイクで録音した音声への耐性も高めています。IBMによると、Open ASR Leaderboardで19,870 RTFxを達成しました。8月の公開時の約12,600 RTFxから向上し、精度を保ったまま約1.6倍高速になったとしています。高速化には、Conformerブロックをコンパイルし、その計算グラフをモデル全体で再利用する方法を用いました。
Granite Speech 4.1 2B Plusは、話者の特定、タイミング、長時間音声の認識結果、キーワードを反映した認識を改善しました。アーキテクチャー、プロンプト形式、APIは変更していません。IBMの報告では、単語単位の話者分離誤り率と話者別WERは全体でそれぞれ7%低下しました。平均タイムスタンプずれは、全音声で210.86から98.54に、短音声で29.27から26.20に減りました。長時間音声のテストセットでWERは13.53から10.22へ24%低下し、20語のキーワードリストを使った場合の対象語WERは11.79から6.48へ45%低下しました。リリース情報には、WDERが4.40から4.10へ、話者別cpWERが30.50から28.48へ移ったことも記されています。IBMは、本番環境で追加のリスク検出が必要な場合、Granite Guardianの利用を推奨しています。