ジョーシス、AI搭載の端末管理サービス開始

Impress Watch2026年10月21日 (水)
ジョーシス、AI搭載の端末管理サービス開始
  • •ジョーシス、企業向けJosys MDMサービスを10月21日に提供開始
  • •月額550円、300台から契約可能で、5種類のOSに対応
  • •AIが端末の更新や設定を自動是正、運用代行と月次報告も提供

ジョーシスは10月21日、企業のPCやスマートフォンを管理する法人向け「Josys MDMサービス」の提供を開始しました。料金は1台あたり月額550円で、300台から契約できます。Windows、macOS、Linux、iOS、Androidに対応し、ポリシー設計から違反時の是正、月次報告まで専任オペレーターが代行します。

同サービスは、同社のアイデンティティセキュリティ基盤「Josys」に端末管理機能を加え、端末とID・パスワードなどの認証情報を一つの台帳で管理します。端末監視、パッチ適用、リモート操作に対応し、OSやアプリの更新状況、暗号化設定を確認して、更新の未適用やポリシー違反を検知します。設定したポリシーに沿い、AIが更新プログラムの適用や設定の再適用を自動実行します。

従来のJosysは、ダークウェブ監視などで漏えいした認証情報やマルウェア感染端末を検知できましたが、端末のパッチ適用や設定変更には別ツールや人手が必要でした。新サービスでは検知から端末側の是正までを扱います。専任オペレーターが企業の規程や監査要件に合わせてポリシーを設計・適用し、監視と違反対応を行い、月次報告と改善提案を出します。

ジョーシスは6月、Josysの機能として「漏洩した認証情報検知」「AIエージェント検知・管理」「AIによるポリシーの自動実行」を発表しました。認証情報検知はダークウェブなどを監視し、漏えい情報を従業員などのユーザー情報と結び付けて対象アプリへのアクセス遮断を迅速化します。AIエージェント管理は、社内で稼働するエージェントの所有者やアクセス権限を管理し、従業員が独自に導入した「シャドーAIエージェント」も対象にします。ポリシー自動実行には60種類のプリセットがあり、不要な特権アカウントの権限制限や多要素認証の強制有効化などを実行します。認証情報検知は10月9日に単体サービスとして提供を始めており、今回、ポリシー自動実行の対象を端末にも広げました。

発表会で共同創業者兼CEOの松本恭攝氏は、攻撃者が正規の認証情報を盗み、従業員になりすまして侵入する手口を説明しました。端末に感染して認証情報を盗む「インフォスティーラー」(情報を盗み取るマルウェア)が残ると、パスワード変更後も新しい情報が盗まれる恐れがあり、端末の初期化などが必要だとしています。9月にはタイムズカーで約660万件のアカウント情報の漏えいが判明し、10月20日には日本郵政が、外部で不正取得されたID・パスワードによる「ゆうID」への不正ログインを公表しました。国家サイバー統括室は企業にパッチの迅速な適用や多要素認証の導入を呼びかけています。

ジョーシスによると、既存顧客の約54%は何らかのMDMを導入済みでしたが、運用が十分でない企業も多くありました。発表会では、漏えいした認証情報から感染端末を特定し、遠隔で初期化するデモを実施しました。デモでは人が操作を承認し、会場のPCを工場出荷時の状態に戻しましたが、設定したポリシーに基づくAIの自動実行も可能です。サービスは一部企業に先行提供され、10月時点で導入企業の40%が他社ツールから乗り換えました。移行支援も標準提供し、MDM単独契約も可能ですが、その場合はJosysのSaaS側のアカウント管理など一部機能を利用できません。

ジョーシスは幕張に52人体制のオペレーションセンターを設け、端末やIDのライフサイクル管理などを代行してきました。運用実績は累計135社で、同センターの体制をMDMサービスにも活用します。同社はサイバー攻撃や情報漏えいを受けて当初のロードマップを前倒しし、企業向けセキュリティサービスを加速しています。今後、端末初期化後も業務を続けられるバックアップ機能と、従業員の認証情報に加えて企業の会員情報の漏えいを検知する機能を計画しています。