メリーランド州、AI選挙関連の苦情は5件
- •州選挙管理委員会はAI偽情報法に基づく苦情5件を受け、選挙日を誤記した広告1件を違反と認定
- •6月成立の法律は選挙運営・結果・投票権に関する虚偽情報を対象とし、違反には最長5年の禁錮または5,000ドルの罰金
- •回答した地方選挙管理責任者9人のうち4人は、今季にAI生成の選挙偽情報を確認していないと報告
メリーランド州の選挙当局は、AI生成の選挙偽情報を対象とする州法に基づく苦情を5件受け付け、選挙日を誤って記載した選挙運動広告1件を違反と認定しました。6月に成立した法律は、州選挙管理委員会が特定の虚偽情報に対応する権限を定めています。
委員会の広報担当者レクシー・ローデン氏は、当局が苦情を確認し、司法長官室と連携して不正確な情報の削除を求め、訂正を出していると説明しました。委員会の権限は、選挙の日時・場所・方法、結果、投票権に関する虚偽情報に限られます。対象外の苦情は州検察当局に送られますが、同当局は進行中の捜査や審査手順について説明を控えました。
法律は、人物や出来事をAIで加工したディープフェイクについて、誰かに害を与える意図で作られたことを要件としています。メリーランド大学ケアリー法科大学院の選挙法教授ドナルド・トービン氏は、裁判所がこの要件をどう適用するかは今後の法的争いで試されると述べました。議員らは有害なAI利用の規制と、政治的言論に対する憲法上の保護との均衡を図る必要があったとも語りました。
選挙運動に関係する事例も複数表面化しています。法律施行から数週間後、共和党の元州知事候補エド・ヘイル氏は、当時の予備選対立候補ダン・コックス氏がウェス・ムーア知事と抱き合うAI生成画像を投稿しました。ムーア知事の広報担当者カーター・エリオット氏によると、この投稿は委員会に通報されましたが、委員会から進展の説明はありません。今月初めには、ムーア知事の弁護士が、知事の肖像を無断で使い、11月の選挙区改定の住民投票に反対しているかのように誤認させると主張する広告を報告しました。委員会は状況についての質問に回答していません。
アン・アランデル郡では、民主党の第7選挙区候補スペンサー・ジョーンズ氏が所有するレストランが木曜日、AIで加工した「キャピタル・ガゼット」紙の一面画像をFacebookに投稿しました。画像はジョーンズ氏を現職と誤記し、新聞記事にはなかったレストランへの称賛を加えていました。ジョーンズ氏は、広告会社が実際の紙面を読みやすくするためAIを使ったものの、システムが根拠のない情報を生成したと説明しました。同氏は謝罪し、投稿を削除して金曜日に訂正版を出しました。
違反には最長5年の禁錮または5,000ドルの罰金が科される可能性があります。メリーランド大学応用政治分析プログラムの所長キャンディス・トゥリット氏は、こうした罰則がすべての選挙運動を抑止するとは限らないと述べました。偽情報が報道を集めたり、虚偽と見抜けない有権者を説得したりする可能性があるためです。同氏は、選挙後に訴訟を受ける可能性や5,000ドルの罰金より、得られる利益の方が大きいと候補者が判断する仮定例を挙げました。
「ボルティモア・サン」は地方選挙管理責任者9人に連絡し、回答した4人はいずれも今季にAI生成の選挙偽情報を確認していないと報告しました。セシル郡のゲーリー・ホームズ氏は、AI生成の選挙運動コンテンツを見たものの、通報対象となる選挙偽情報とは考えなかったと述べました。ボルティモア郡のルイ・マリー・ラボア氏は、AIがソーシャルメディア上の虚偽情報を広げる速度を高めると懸念していたため、事務所でそうした投稿に遭遇していないことに驚いたと話しました。同事務所は、郵便投票の返送に切手代が必要だというAIとは無関係の誤情報には対応しました。ラボア氏はソーシャルメディアの監視を続け、有権者に地元の選挙事務所で情報を確認するよう促しています。キャロル郡のエリン・ペローネ氏も、選挙日、投票所、投票時間を地元当局に直接確認するよう勧めました。キャロライン郡のアリソン・マーフィー氏は、AIが使われたかどうかにかかわらず、選挙に関する誤情報の疑いを委員会のウェブサイトのフォームから通報できると説明しました。