Meta、Muse支援の医療研究論文10本を公開
- •MetaがMuse搭載の研究支援システムで作成した医療研究論文10本を共有
- •研究者がMuse Spark 1.3とMuse Wonderを使い、500万件の医療記録を4週間分析
- •研究者は生産性が最大10倍向上したと報告、一部の論文は7日で執筆
Metaは、AIを活用した医療研究システムを開発し、このシステムで作成した医学研究論文10本を公開しました。医療研究者は、Muse Spark 1.3とMuse Wonderを搭載した社内のコーディング支援基盤を使い、公開データと、匿名化された電子診療記録500万件を含むライセンス契約済みの過去データベースを分析しました。研究上の判断と結論は、各分野の専門家が担いました。
循環器学、疫学、感染症、内科学の研究者は4週間にわたり、この基盤で仮説を立て、コードを書いて実行し、モデルと協力して論文を作成しました。Metaによると、研究者は最初のプロンプトから2週間未満で論文を執筆し、一部は最短7日で完成しました。参加者全員が生産性の向上を報告し、従来の研究手法と比べて最大10倍に達したケースもありました。
10本の論文は、感染症、スポーツ医学、救急医療、腫瘍学、内分泌学、口腔保健などを扱っています。各論文は医療研究者グループの同僚からフィードバックを受け、生物統計学者による分析の確認と、契約した独立専門家による要約レビューも受けました。
論文の一つは、感染性心内膜炎(心臓内膜や弁の重い感染症)の後に起きる不整脈と伝導障害を調べました。感染性心内膜炎の患者では、同疾患を伴わない菌血症の患者と比べ、新たな不整脈・伝導障害の発生率が73%高かったと報告しました。1年間のリスクはそれぞれ7%と4%でした。査読者は、この研究は仮説を立てる段階のものだと述べ、心臓のモニタリング頻度の違いが関連の一部を説明しうると指摘しました。そのため、因果関係を立証するものではなく、標準治療を変える根拠にもなりません。
Metaは、この取り組みを過去のデータ分析に基づく初期的な検討と説明しました。より包括的なデータセットを使う今後の研究は、前向き試験で検証する仮説につながる可能性があるとしています。また、特に研究結果を正式に検証できない領域で、専門家の指導を受ける自動研究エージェントを目指す方針を示しました。医療専門家は、既存文献の統合、手元のデータで仮説に答えられるかの確認、共同研究者の成果への批評にもこの基盤を使ったと報告しました。