Meta、パーソナルAI「Muse」を日本展開

Impress Watch2026年10月28日 (水)
Meta、パーソナルAI「Muse」を日本展開
  • •Meta、AIエージェントMuseを日本とシンガポールで提供開始
  • •毎朝6時に予定やメールなどから家族向け新聞を作成
  • •会話を広告に使わず、外部連携と地域別の拡大を計画

Metaは23日に日本でAIエージェント「Muse」の提供を始め、27日(現地時間)にはシンガポールにも展開しました。利用者の目標や好みを理解し、指示を待たずに日常生活を支援する構想を、MetaのAI部門バイスプレジデント、ヴィシャル・シャー氏が説明しました。MetaはMuseの開発にあたり、約1年半前から「パーソナライズされたスーパーインテリジェンス」を目指してきたとしています。

シャー氏は、Museが毎朝6時に自身のカレンダーや子どもの予定、学校からのメールを確認し、地域のニュースやスポーツ情報、なぞなぞ、ジョークを組み合わせた家族向けの新聞を作成して印刷すると紹介しました。複数のサービスから情報を集め、家族にとって意味のある内容にまとめるため、毎朝細かく指示する必要はないといいます。利用者はMuseに名前や性格を設定し、自分向けのエージェントとして使えます。

Metaは、商品やブランドとの出会いを支える広告と、購入を検討する段階を支援するMuseは異なる役割を担うと説明しました。たとえば、数カ月前に見つけたバックパックを後で買いたくなった際、Museが以前の関心を踏まえて商品探しを助けるという例を示しました。収益化では、まず無料で広く提供して価値を知ってもらい、推論処理や計算資源のコストを抑えながら、ショッピングやEコマースとの連携、サブスクリプションを検討しています。

Museは外部サービス接続機能「コネクター」に加え、仮想マシンやブラウザー、コード実行機能を組み合わせます。専用コネクターがなくても、仮想マシン上でコードを作成・実行したり、ブラウザーやAPI経由でサービスにアクセスしたりできるとしています。ローンチ時点でInstagram、Facebook、メッセンジャーの情報を使え、旅行先で見つけたカフェや後で試したいレシピを探す用途も想定しています。買い物やデリバリーなどの連携は地域ごとのニーズに合わせて広げる方針です。

外部開発者がコネクターを提出し、Metaの機能・セキュリティ審査後にMuse上で利用できる「Muse Connector Platform」を9月18日に公開しました。Metaはショッピングや銀行サービスとの接続も活用例に挙げています。10月にはRaspberry PiやESP32を使った自作デバイスとMuseを連携するオープンソースプロジェクト「Muse Gadgets」も公開しました。

シャー氏によると、Museとの会話内容は広告事業に流れず、仮想マシンとのやり取りも広告主に渡りません。無料プランでも設定からAIモデル改善のための学習をオプトアウト(利用者が拒否する設定)でき、アプリには生体認証などによるロック機能があります。Metaは米国に続く展開先に日本とシンガポールを選んだ理由として、新技術を受け入れ活用する利用者の多さと、イノベーションを支える規制環境を挙げました。地域の飲食店探しや学校行事に合わせた提案に特化するモデルも重視し、外部サービスやデバイスとの連携を広げる方針です。