未来アセット証券、AI資産管理を拡大へ

Byline Network2026年11月4日 (水)
未来アセット証券、AI資産管理を拡大へ
  • •未来アセット証券、社内業務でのAI活用と顧客向け資産管理の拡大を推進
  • •AI業務担当の本部は約40人、今年の計画の85%以上を達成
  • •M-STOCKをMAPSに刷新し、Agentic WMを長期目標に設定

未来アセット証券は、社内業務の効率化と顧客向け資産管理の拡大に向け、AIアシスタントと投資サービスを運用し、モバイル投資アプリM-STOCKをMAPSに刷新すると発表しました。市場の変化を捉えて投資行動を提案する能動型の資産管理体制を、長期目標に掲げています。

今年のAI活用目標は、社内業務の効率化と顧客サービスの拡大です。ガバナンス、サービス企画、開発を担うテック&AI部門傘下の本部には約40人が在籍し、会社は今年の計画の85%以上を達成したとしています。社員は社内AIプラットフォームを使い、社内規程や人事管理に関する質問に答えるアシスタントを作成しています。議事録と業務文書の比較・分析や、報告書の下書き作成にも活用しています。AIを導入する際は、業務担当部門とIT部門が業務の最初から最後までを見直し、進め方を再設計します。今年開発して実務に適用した案件の成果も継続的に確認しています。

未来アセット証券は今年下半期にAI倫理・ガバナンス規程を整備し、情報セキュリティ、個人情報保護、金融消費者保護に関する社内規程にAIの内部統制を盛り込みました。全社員にAI活用ガイドラインを配布し、サービスには安全策となるガードレールを適用しています。全社AI戦略案件の優先順位はAX推進委員会が決め、専任部門はデータ基盤とアーキテクチャの設計、サービスの企画・開発を担います。同社はAIをグループの中長期ビジョン「未来アセット3.0」の中核と位置付けています。未来アセットグループは昨年10月、伝統資産とデジタル資産の融合による金融イノベーション構想を発表しました。当時、未来アセット証券はAI・デジタル資産分野の競争力を確保するため、テック&AI部門を新技術の専任組織に再編しました。

未来アセット証券は先月、モバイル取引システム(MTS)M-STOCKの名称をMAPSに変更し、ポートフォリオ中心の統合投資プラットフォームへ刷新すると発表しました。MAPSは「未来アセット・ポートフォリオ・サービス」の略称です。利用者が資産状況を確認して投資方針を点検し、実際の投資につなげられるよう設計されています。株価の確認や注文を中心とする従来の形から、市場の動きと自身のポートフォリオを理解し、次の投資判断を支援するプラットフォームを目指します。ホーム画面は「発見」と「自分の投資」のタブで構成され、「発見」では市場動向、主要指数、主導銘柄、ETFや金融商品を確認できます。場中の動きを2時間ごとに一文で要約するAIサービス「マーケットNow」も導入しました。

同社はMAPSで、投資の全行程にAIを活用する「AI Everywhere」を実現し、相談・業務向けAIエージェント、自動注文AIエージェント、ポートフォリオの診断・分析へ適用範囲を広げる計画です。ロボアドバイザー、ウェルステック、ラップ、MP購読、株式積立など既存サービスも一カ所に集約する方針です。長期目標の「Agentic WM」は、投資目標と制約条件に基づいてAIが市場の変化を捉え、投資行動を提案する仕組みです。重要な投資判断と実行は利用者が管理する原則のもと、アプリにアクセスしなくても専任AIエージェントと専門アドバイザーがチームで資産を管理する構想を示しました。未来アセット証券は、資料の入力・整理、文書照合、報告書の下書き作成などの手作業時間をAIで減らし、効率を高められるとしています。伝統資産とデジタル資産を統合した能動型資産管理を通じ、ロビンフッドの革新を超えるモデルを完成させる構想も明らかにしました。