NVIDIA、欧州のAI科学構想に参加
- •欧州委員会がダブリンのサミットで「AI in Science Enablers Initiative」を発足
- •NVIDIAが公開モデル250超、データセット250件、オープンソースプロジェクト1,400超を提示
- •欧州で開発中のスーパーコンピューター35台が、300万人超の研究者を支援する見通しとNVIDIAが説明
ダブリンで開かれた「AI in Science Summit」で、欧州委員会は「AI in Science Enablers Initiative」を発足しました。欧州の科学向けAI資源「RAISE」と連携する共通枠組みです。NVIDIAはこの取り組みに参加し、高速計算ツール、モデルやプラットフォーム、計算資源、クラウド、データ、科学資源へのアクセスに加え、研修や技術支援、共同プロジェクト、研究者・人材・スタートアップ支援を約束しました。スタートアップ・研究・イノベーション担当欧州委員のエカテリーナ・ザハリエワ氏は、欧州の科学向けAIの構想を、研究者にツールや専門知識、資源を届ける具体的な約束に変える取り組みだと述べました。
NVIDIAによると、同社は公開モデル250超、公開データセット250件、オープンソースソフトウェアプロジェクト1,400超を公開しており、Hugging FaceとGitHubで利用できます。大規模言語モデル、医療、ロボット工学、気候科学、物理AI、自動運転車、科学研究などが対象です。支援には、アーキテクチャー、公開重み、モデル、訓練データ、レシピを含むNVIDIA Nemotronファミリーの案内も含まれます。科学向けソフトウェアとして、BioNeMo Agent Toolkit、PhysicsNeMoライブラリー、Earth-2モデル、ALCHEMI NIMマイクロサービスも挙げました。これらは生物学、化学、分子設計、気象、気候、エネルギー、工学、物理学、材料科学の研究を対象としています。
NVIDIA Deep Learning Instituteは、高速計算とディープラーニングの教材をまとめたハブを公開しました。教材は無料でダウンロードでき、オープンライセンスで提供され、登録、料金、期限はありません。モジュール式の講座は大学のカリキュラムやスーパーコンピューター研修、開発者イベントに合わせて変更でき、NVIDIAの研修・認定プログラムにもつながります。同社はクラウド事業者やフランス、スペイン、スウェーデンの国立AIファクトリーと協力し、スタートアップや中小企業が欧州の計算資源やサービスを利用しやすくする取り組みも進めています。フランスのAI2FはNVIDIA Inceptionと4カ月にわたり協力してきました。スペインのBSC AI Factoryは試験運用から初の本格的なアクセラレータープログラムに移行し、他の国立AIファクトリーも2027年に同じモデルを導入することに関心を示しています。欧州のEuroHPC資金によるAIファクトリー19拠点の一つであるSweden AI Factoryは、Inception参加のスタートアップや中小企業にインフラと専門知識を提供しています。
EuroHPCの計算センターであるCINECAとJSCは、オープン研究に取り組む大学・研究機関やスタートアップに、NVIDIAのGPUインフラとサービスを無料で提供しています。NVIDIAは研究者が自分たちのデータセットでモデルを追加学習できるよう、相談会、集中研修、ハッカソンも行っています。同社は今月、Austrian Scientific Computing、Leibniz Supercomputing Centre、High-Performance Computing Center Stuttgart、Pharos-CYを担うThe Cyprus Instituteと欧州AIハッカソンを共同開催しています。NVIDIAによると、欧州ではスーパーコンピューター35台が開発中で、単年として同大陸最大の計算能力整備となります。同社は、これらのシステムが気候科学、創薬、材料研究などに取り組む300万人超の研究者に計算基盤を提供するとしています。