NVIDIA、Kumo Relationalを発表

HuggingFace Blog2026年10月22日 (木)
NVIDIA、Kumo Relationalを発表
  • •企業のリレーショナルデータベースから直接予測する事前学習済みモデルを発表
  • •15データベースの41タスクで教師ありモデルを上回り、SAP SALTではAutoGluonよりMRRが8%高いとNVIDIAが発表
  • •最大10,000件の文脈例を使い、NVIDIAのソフトウェアとサービスを通じて500B超の行を持つデータベースに対応

NVIDIAは2026年10月21日、企業のリレーショナルデータベースから直接結果を予測する事前学習済みモデル「Kumo Relational」を発表しました。予測クエリを受けると、過去の例を最大10,000件まで文脈として集め、顧客離脱、需要、不正行為などを1回の順伝播で予測します。NVIDIAによると、タスクごとの学習、特徴量エンジニアリング、テーブルの平坦化は不要で、人やソフトウェアエージェントによる利用を想定しています。

モデルは、関連する記録を1枚の表に変換せず、データベースのテーブル、外部キー、タイムスタンプを扱います。合成リレーショナルデータで事前学習し、クエリとともに渡される例を使う文脈内学習で予測タスクに適応します。各例では、ある時点のエンティティ中心のデータと既知の結果を組み合わせます。時間を扱うタスクでは、基準タイムスタンプより前のデータから後の出来事を予測し、データ漏洩を防ぐ設計です。

NVIDIAは、事前学習に使っていないデータを含むRelBench V1とV2、SAP SALT、4DBInferの15データベースで41タスクを評価しました。対象は電子商取引、医療、企業、ソーシャル、学術データです。同社によると、分類と回帰の両方で、リレーショナル深層学習モデルや専門家設計の特徴量を使ったアンサンブルを含む、最も強い教師ありモデルを上回りました。RelBench V1では勾配ブースティング木を平均で約4 AUROCポイント上回り、SAP SALTでは微調整なしでXGBoostを7 MRRポイント、微調整後は13ポイント上回りました。

RelArena-αの順位表では、Kumo RelationalはElo 1,842で、1,000サンプル当たり約17秒でした。最高得点のrt-plurelはElo 1,878で約7,300秒を要し、NVIDIAは同程度の精度でKumoが約430倍高速だと説明しています。SAP SALTでは、大規模なAutoGluonアンサンブルより平均逆順位(MRR)が8%高く、近年の表形式基盤モデルより約25%高い成績でした。微調整後、AutoGluonに対する差は16%に広がりました。学習データの0.2%を文脈例として使っても性能を発揮し、外部キーのリンクを最大75%取り除いた後も安定し、ノイズのある列を追加しても性能低下はわずかだったとNVIDIAは報告しています。

NVIDIAによると、このモデルはデータに意味のある関係があり、時間とともに変化する場合に最も効果を発揮します。非常に大きな学習データがあるタスクでは、ベンチマークで最大10,000件の例を使った文脈内予測より、タスク固有の教師ありモデルが優れる場合があります。その用途向けに微調整も提供します。予測に必要な情報は限られた数の関係の経由でたどれる必要があるため、NVIDIAはまず少数のテーブルを使った絞り込んだクエリから始めるよう勧めています。モデルはNVIDIAのオープンソースGPUネイティブ構造化データモデルライブラリ、またはNVIDIA NIMサービスで利用できます。独自のグラフエンジンにより、メモリマップ入出力を最大5 GB/sで行い、500B超の行を持つデータベースに対応します。コードはApache 2.0ライセンス、モデルの重みはOpenMDW License Agreementバージョン1.1で提供されます。