NVIDIA、Nemotron 3.5のモデル群を拡充

NVIDIA2026年10月19日 (月)
  • •NVIDIA、専門業務向けエージェント用のオープンモデル「Nemotron 3.5 Super VL」1200億パラメーターを公開
  • •Super VLは同クラスの次点モデルよりタスクを5倍速く完了するとNVIDIAが説明
  • •Boltモデルはローカル・エッジ処理向け、学習に約26兆トークン、追加学習に約380万サンプルを使用

NVIDIAは、専門業務を担う常時稼働型エージェント向けのオープンモデル「Nemotron 3.5 Super VL」(1200億パラメーター)を公開しました。同時に、エッジ向けの「Nemotron 3.5 Bolt 74B-A9B 24GB」と「Bolt E4B 4GB」も発表しました。Super VLとBolt 74B-A9Bはすでに利用でき、Bolt E4Bは10月23日に提供予定です。NVIDIAによると、3モデルは企業サーバーからエッジ機器、ローカル端末までの展開に対応します。

Super VLは指示への応答、ツールの利用、複数段階の業務処理、画像の理解に対応します。NVIDIAは、マルチモーダルなエージェント課題で、パラメーター数が約5分の1の同社最大の推論モデルと同等の精度を達成し、同クラスの次点モデルよりタスクを5倍速く完了すると説明しています。組織は独自データで追加学習し、自社のインフラ上で実行できます。

Bolt 74B-A9Bは、NVIDIA RTXやDGX Spark上でローカルのエージェント処理を行う用途向けです。ネイティブの2ビット量子化(モデル値を少ないビット数で保存する方法)により、24GBのメモリーに収まり、他のアプリケーションと同時に実行できます。NVIDIAによると、PinchBenchでは同クラスのオープンモデル中1位、BrowseCompでは2位です。Bolt E4BはGeForce RTX、Jetson、RTX/DGX Spark向けで、会話機能と複数ターンのエージェント機能を組み合わせ、ローカル音声アシスタントや対話型キャラクター、組み込みインターフェースに対応します。

NVIDIAによると、数十の組織がSuper VLをカスタマイズしています。Scale AIはSkydanceとEY向けの取引先信用調査・M&Aデューデリジェンス用エージェントに追加学習し、AfterQueryはHebbiaの信用契約分析向けに調整しました。AI21とAliceはサイバー攻撃への耐性に取り組みました。MercorはコーディングベンチマークAPEX-SWE向けに追加学習し、ModelScopeはms-swiftによるファインチューニングに対応しています。ほかにRampの金融文書分析、Dreamのサイバーセキュリティ研究、Lila Sciencesの科学的発見と検索、R1の医療保険請求分析にも利用されています。TrainLoopはNollaの皮膚科データで追加学習し、NVIDIAによると、NollaはAIによる初回の患者処方箋作成で承認された最初の企業となりました。

Super VLを統合するソフトウェア企業には、JiraとConfluenceを横断する検索のAtlassian、企業セキュリティのCrowdStrike、エンジニアリング設計・シミュレーションのDassault Systèmes、検索とエージェント処理のPerplexity、Missionforce Operationsを通じた政府向け安全な業務処理のSalesforce、半導体設計検証のSynopsysが含まれます。このモデルはウェブページやPDFの文章、表、図表、構造化情報を読み取り、分析結果を返せます。NVIDIAは、文章と画像を一体で処理することで、別々のシステム間でタスクを振り分けずに文脈を保てると説明しています。

Super VLにはオープンウェイト、データセット、学習手順が付属します。NVIDIAによると、約26兆トークンで学習し、その後、約380万サンプルと数十の環境での強化学習を用いて追加学習しました。エージェントのツール利用、金融、指示応答、長文脈、公平性、視覚と言語の理解に関するデータセットと、NeMo Gymの強化学習環境も公開しています。モデルはHugging Face、Open Router、ModelScope、NVIDIA NIMから利用できます。NVIDIAによると、NVIDIA Dynamoを使うと、組織はレイテンシーを85%下げながら最大8倍のユーザーにサービスを提供できます。Super VLはDGX Spark、DGX Station、RTX PROおよびRTXシステム、Jetson、データセンター、クラウド環境で動作します。Bolt 74B-A9BはHugging Faceで公開され、llama.cpp、Ollama、LM Studio、Unsloth、vLLMに対応します。NVIDIA RTX Spark搭載ノートPCは10月16日に発売予定です。