生成AIの架空判例掲載で書籍回収・絶版

Ledge AI2026年10月17日 (土)
  • •高文研、島袋純氏の架空判例掲載の経緯説明と謝罪文を10月10日に公開
  • •生成AIの実在しない判例3件、授業資料と書籍147~149ページに掲載
  • •回収・絶版を9月決定、購入者へ着払い返送と返金を案内

出版社の高文研は、書籍『無責任の体系と沖縄戦』の回収・絶版を決めた経緯について、著者で琉球大学教授の島袋純氏による説明と謝罪文を10月10日に公開しました。島袋氏は、生成AIが出力した実在しない判例3件を授業資料に採用し、確認や精査をしないまま書籍にも掲載したと説明しています。

問題の判例は、同書の「第3章末尾資料『沖縄の政治』授業配布資料」の147~149ページに載った、沖縄戦でスパイ容疑をかけられた住民の虐殺に関する国際裁判の記録です。島袋氏によると、スタンフォード大学図書館の国際犯罪裁判記録データベースのURLを生成AIに入力し、日本軍による沖縄の住民殺害事例を示すよう指示しました。AIが英文の判例を出力し、島袋氏はそれをデータベースから抽出された記録だと思い込んで採用したといいます。

島袋氏は、当初は授業資料の作成に使い、その後、確認・精査しないまま書籍にも転載したと説明しました。史料に向き合う姿勢と研究者としての慎重さを欠いたとして謝罪しています。説明文は、使用した生成AIの製品名やモデル名を明らかにしていません。

島袋氏の説明では、回収・絶版は9月18日に決まり、高文研が9月24日に告知しました。10月10日の追記で、生成AIを使った具体的な経緯と、授業資料にも誤りが含まれていたことが公表されました。島袋氏は、卒業生を含む受講生に誤りと謝罪をメールで知らせるよう学部に依頼したとしています。

島袋氏は、書籍のほかの記述についても、AIを利用した箇所に誤りがないか精査中で、見つかった場合は改めて公表するとしています。高文研は、AIを使った原稿に限らず校正・校閲を徹底する方針を示しました。購入者には対象書籍を送料着払いで返送するよう案内し、返金に応じています。書籍の回収・絶版と購入者への返金対応が進められています。未確認の判例が授業資料と書籍に掲載され、授業を受けた学生や購入者にも訂正と対応が及んでいます。なお、記事中に金額や判例の裁判年月日などの数値は示されていません。外部への案内内容は、返送方法と返金対応の説明に限られています。誤りの確認が続いているため、追加の公表は判明した場合に行うとされています。出版社の示した方針は、AI利用原稿以外も含めた校正・校閲の徹底です。該当書籍は回収・絶版となり、購入者への返金対応が案内されています。記事は、説明文でAI製品名やモデル名が明かされていないことも伝えています。確認対象は書籍のほかのAI利用箇所にも及びます。追加の誤りが判明した場合、島袋氏は改めて公表するとしています。