OpenRouter、自動ルーター刷新とAuto Code投入
- •OpenRouterがAuto Routerを刷新し、コーディング向けAuto Codeを投入、ベンチマークで最大4倍、p90のルーティング速度で3倍を報告
- •Auto Codeは5つのベンチマークでClaude Opus 5.5に並び、タスク当たりの費用を74%削減したとOpenRouterが説明
- •ルーティング分析や定期ベンチマークを追加し、ベータ版では無効なツール呼び出しが4分の1に減少
OpenRouterは2026年11月6日、Auto Routerの新世代版を公開し、コーディングに特化したAuto Codeを導入しました。同社によると、刷新版Auto Routerはベンチマークに応じて従来版を最大4倍上回り、実運用テストではルーティング処理をp90で3倍速く完了しました。所要時間は0.65秒で、従来の1.96秒から短縮しています。OpenRouterは毎月、10万人を超える利用者から2.5兆超のトークンを処理するとしています。
従来のAuto Routerは、タスクの種類など限られた手掛かりでモデルを選んでいました。新しいルーターはリクエストごとに11項目を評価し、リアルタイムの価格、プロバイダーの稼働状況、プロンプトキャッシュの状態と組み合わせます。利用可能なモデル群から選択しつつ、ガードレール、データ保持なしの要件、プロバイダー制限、許可・除外するモデルの一覧、BYOKキーに対応するとOpenRouterは説明しています。利用者はモデル欄に「openrouter/auto」または「openrouter/auto-code」を指定して選べます。
OpenRouterによると、利用者から汎用ルーターをコーディング用ハーネス(コーディングエージェントを動かすシステム)で使う際の問題が報告され、Auto Codeを開発しました。Auto Codeは上位のコーディングモデルを優先し、速度をより重視するとともに、失敗へのペナルティーを強めています。5つのベンチマークでClaude Opus 5.5に並ぶスコアを出し、タスク当たりの費用は74%低いと同社は述べています。従来のルーターは最低価格のモデルへ偏っていましたが、今回の更新で数カ月前に近い価格水準に戻し、より多くのモデルを選べるようにしたとしています。以前の費用重視の挙動を望む利用者は「cost_tier」を「low」に設定できます。
今回の提供では、チャット画面にモデル選択の理由を説明するルーティング分析パネルを追加し、同じ分析をAPIのルーターメタデータからも確認できるようにしました。モデルのページでは、セッションの種類ごとに各ルーターが最も多く選ぶモデルや、タスクの難易度が上がる際の選択の変化を表示します。OpenRouterは他のルーターや個別モデルの結果と並べたルーターベンチマークを公開し、定期的に再測定するとしています。
OpenRouterは、Auto Codeをコーディング向け、Auto Routerを混在したリクエストや汎用エージェント向けと位置づけ、後者ではより費用効率の高いモデル層を使うと説明しています。ベータ期間中、Auto Routerはプロンプトキャッシュを保つため、エージェントのターン(処理の一区切り)のほぼ10回中9回で同じモデルを使いました。従来版と比べて無効なツール呼び出しは4分の1に減り、エージェントの応答が途中で打ち切られる頻度も半分になったと同社は述べています。エラーの繰り返しや編集後のテスト失敗などの兆候があれば、モデルを切り替える可能性を高めます。カタログにある600超のモデルは追加時点で選択候補となり、ベンチマークと人気の指標をもとに費用最適化された候補群に入るかが決まります。
モデルルーティングはリクエストに使うモデルを選び、プロバイダールーティングは利用者の希望、稼働率、遅延、価格、キャッシュの利用可否に応じて、そのモデルを提供する事業者を選びます。OpenRouterは、費用と品質の両面で最良の単一フロンティアモデルを常に上回るルーターはないと説明しています。多様な作業、安定した費用を求める組織、モデルのリリースを追い続けたくない利用者にとって、ルーターは選択肢になると同社は述べています。利用者は最高水準の性能の一部と引き換えに、時間を通じた安定した費用効率を得ます。ルーターの追加料金はなく、利用者は実際に応答を生成したモデルの標準料金を支払います。応答の「model」欄に使用モデルが示されます。