PFN、CEATECで国産AI「PLaMo」活用事例

ITmedia AI+2026年10月23日 (金)
PFN、CEATECで国産AI「PLaMo」活用事例
  • •PFN、CEATEC 2026でPLaMoの官公庁・教育・採用などの活用事例を展示
  • •約800自治体が使うQommonsAIや、全学生・教職員向け滋賀大学サービスに採用
  • •PLaMo-VLの工場映像活用構想と、最大100kgを運ぶカチャカEvoを実演

Preferred Networks(PFN)は、10月13日から16日まで幕張メッセで開かれた「CEATEC 2026」で、自社開発の大規模言語モデル「PLaMo」を使った事例を展示しました。PFNはAI半導体「MN-Core」から基盤モデル、アプリケーションまでを手掛ける垂直統合を掲げており、PLaMoは海外モデルを土台にせず一から開発した中核モデルです。

デジタル庁は政府向け生成AI基盤「源内」で、2025年12月からPLaMoベースの翻訳サービス「PLaMo翻訳」を利用し、2026年3月には「PLaMo 2.0 Prime」が試用モデルに選ばれました。約800自治体が導入するPolimillの行政向け基盤「QommonsAI」でもPLaMoを選択でき、市民の長文意見を読む作業や返信案の作成に使えます。第一法規は法情報を根拠に回答する「ELDA」β版にPLaMoを採用し、自治体向けにオンプレミス環境で稼働させています。

官公庁、研究機関、製造業には、社内データを外部クラウドに出さずに使いたいという要望があります。エフサステクノロジーズはGPUサーバ「PRIMERGY」にPLaMoを搭載し、社内データ向けアプリケーションと組み合わせて出荷しています。

教育向けの「ろんじろう」は、生徒の小論文や作文を約1分で添削し、具体的な助言を返すAI文章指導サービスです。PFNの教育チームが小論文指導の教員と開発し、2026年3月に「AI添削 小論文対策コース」として提供を始めました。総合型選抜などで高校生が小論文を書く機会が増え、添削需要が高まっていることが背景です。PLaMoは論理のつながりや実体験を交えた記述など、教員の観点に沿って評価し、書き直し後に前回の指摘が直ったかも確認します。一方、評価観点や書けない場合に示す材料はモデルではなく、外側のアプリケーションで設計しています。滋賀大学は4月から全学生と教職員に「PLaMo Chat」とPLaMo翻訳を提供しています。

採用向け「タレスカAI面接」では、AIアバターが応募者と対話し、志望動機などを聞いて追加質問を生成します。面接後は総合点、指標別評価、強みと弱み、評価理由、次の面接官への申し送りを出力し、沖縄セルラー電話などが新卒採用に導入しています。繁忙期に大量処理が必要な面接では「GPT」や「Gemini」など海外モデルを使う場合もありますが、標準の8つの基礎能力の評価にはPLaMoを使います。PFNは、用途ごとにモデルの性能との相性を把握して使い分けられる点を自社開発モデルの利点とし、即時性より品質が重視される評価分析でPLaMoの強みが生きると説明しています。

PFNは画像と言葉を同時に扱う視覚言語モデル「PLaMo-VL」も展示しました。画像内の物体と質問の意味を理解する例として、「オレンジ色のものが入っている箱は何色か」という問いに「青」と答え、工場映像から作業手順を認識して改善点を報告する用途を想定しています。子会社Preferred Roboticsは、業務用の自律搬送ロボット「カチャカEvo」を実演しました。10月1日に販売を始めた同機は最大100kgを運べ、指定棚へ移動して荷物を持ち上げて運び、元の場所に戻る動作を自律的に行います。台車や棚の下に潜って持ち上げる方式は、車輪をロックして荷物を管理する工場で、けん引すると破損するため採用したとしています。