PFNとTenstorrent、生成AI特化プロセッサを共同開発
- •PFNとTenstorrent、生成AI向けプロセッサ共同開発を発表
- •CPUはTenstorrent、AIプロセッサはPFNが担当、光電融合技術を活用
- •NEDO採択、2031年度まで研究開発し事業化を目指す
Preferred Networks(PFN)と米Tenstorrentは2026年10月20日、生成AI向けプロセッサを含むシステムの共同開発を始めたと発表しました。CPUの開発はTenstorrentが担い、NVIDIA GPUがデファクトスタンダードとなっているAIプロセッサの開発はPFNが担います。光電融合技術と最先端パッケージング技術を活用し、AIプロセッサのシステム化技術を2社で開発します。
本プロジェクトは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募に採択されたもので、2031年度まで研究開発を進め、期間終了後に研究成果の事業化を目指します。
Tenstorrentは、米AMDやApple、Teslaでチップ設計を手がけたジム・ケラー氏が率いる半導体開発企業です。オープンソースの命令セットアーキテクチャ「RISC-V」ベースのプロセッサを開発しており、GPUに代わるAIプロセッサ「Blackhole」などを出荷しています。日本では半導体企業Rapidusと共同で、2nmロジック技術によるエッジAIアクセラレータの開発を進めています。
PFNは、国産LLM「PLaMo」の開発に加え、神戸大学と共同でAI計算の要となる行列演算に最適化した専用プロセッサ「MN-Core」を開発しています。消費電力を抑えつつ演算性能を高める点が特徴で、スーパーコンピュータの世界ランキングでは省電力分野で世界一を3回獲得しています。次世代モデル「L1000」は2024年11月に開発を発表しており、広いメモリ帯域幅によってLLMの推論速度を向上させます。L1000を搭載するワークステーションでは、700億(70B)パラメータ規模のLLMで500~1000トークン/秒程度の推論速度が出せるとしています。さらに将来世代では、単一ノードで128Kコンテキスト長の1Tモデルを約500トークン/秒で推論できると考えているとしています。L1000の提供予定は当初2026年としていましたが、現在は2027年に修正されています。
高メモリ帯域幅のAI特化プロセッサでは、米CerebrasとGroqが先行しています。Cerebrasは米OpenAIと提携し、ChatGPTの「Ultrafast」モードの推論基盤の一部となっています。Groqについては、NVIDIAが同社技術への非独占的ライセンスを200億米ドルで取得し、次世代AIスーパーコンピュータ「Vera Rubin」の一部として提供されると報じられています。
光電融合技術は、電気の代わりに光を使ってデータを転送する技術です。電気に比べて消費電力を抑えつつ大容量通信を可能にし、複数ノードをまたぐ効率的なAI計算にとって重要な技術とされています。