PhonicとRime、音声AIモデルを発表

Ledge AI2026年11月4日 (水)
PhonicとRime、音声AIモデルを発表
  • •PhonicとRime、発話中の処理と発話前の回答検査に対応する音声AIを発表
  • •Phonic-1のデモは5ツールを呼び出し1.1秒で回答、GPT-Liveは15.7秒
  • •Prismはτ-Voiceで56.6、最初の音声出力まで0.57秒と公表

Phonicは2026年10月29日、利用者が話している間に外部ツールを実行できる音声AIモデル「Phonic-1」を発表しました。Rimeも前日の10月28日、AIが回答を音声で伝える前に、企業が内容をテキストで検査できるモデル「Prism」を発表しました。両モデルは利用者の音声を直接処理し、音声で応答するSpeech-to-Speech型です。Phonic-1は発話中の処理実行、Prismは企業側による発言内容の管理を特徴としています。

音声AIには、音声認識で発言をテキスト化し、言語モデルが回答を作り、音声合成で読み上げる「カスケード型」があります。各処理を順につなぐ一方、文字起こしだけでは声の調子やためらい、発言の間を十分に伝えにくい課題があります。両社は音声そのものを扱い、こうした情報を会話に生かすモデルを開発し、外部システムを使う業務への対応も示しました。

Phonic-1は利用者が話し終わる前にツールを呼び出し、必要な処理を始めます。Phonicが公開した旅行依頼の比較デモでは、発話中に5つのツールを呼び出し、発話終了から1.1秒後に回答しました。比較対象のGPT-Liveは発話終了後にツールを呼び出し、回答まで15.7秒かかりました。数値は同社の特定デモでの結果です。Phonic-1は50以上の言語で学習し、会話中に言語が変わっても同じ声で応答できます。英語からスペイン語、日本語、中国語へ切り替えるデモと、44分間の通話で123回ツールを呼び出すデモも公開しました。

Phonic-1は発表当日から利用でき、API、TypeScript・PythonのSDK、ノーコードのエージェント構築機能を通じて使えます。顧客対応、採用面接、患者受付を用途に挙げています。

Prismは利用者の音声を聞き、回答をテキストで生成してから話すよう一体のシステムとして学習されています。AIが話している間も利用者の音声を聞き続け、発話と並行してツールを実行できます。回答テキストを音声出力前の確認地点にすることで、企業のアプリケーションは利用者が聞く前に、社内ルールや発言制限のガードレールに照らして内容を検査できます。Prismは音声を直接処理し、ためらい、怒り、笑いなどの情報を扱いながら、企業が回答を管理できる構造です。

Rimeは航空、小売り、通信の顧客対応を模したベンチマーク「τ-Voice」で、ツール呼び出しや指示への対応を評価しました。発話前に追加の推論処理を挟まない条件で、スコアは56.6、利用者の発話終了から最初の音声出力まで0.57秒だったと公表しました。Prismは企業の通話データによるファインチューニングと、オンプレミス、仮想プライベートクラウド(VPC)、クラウドでの運用に対応します。企業が追加学習に使う強化学習(RL)・教師ありファインチューニング(SFT)のAPIは、発表時点でベータ顧客と開発中です。公式ドキュメントでは対応言語は英語のみと案内されています。