倉庫現場で音声翻訳の導入広がる

Logistics Viewpoints2026年10月15日 (木)
  • •RelayのTeamTranslate、倉庫作業員の発話を希望する言語にほぼリアルタイムで翻訳
  • •2交代制・従業員200人の施設では、翻訳業務で年間625時間超と約2万5,000ドルの損失も
  • •安全確保や新人研修、従業員の参加促進にも翻訳ツールを活用できる可能性

倉庫運営企業は、人手不足が続く中、多言語を話す従業員がバイリンガルの同僚に頼らず意思疎通できるよう、音声のリアルタイム翻訳を試しています。情報伝達の遅れや安全上のリスク、研修の課題に対応する狙いです。RelayのTeamTranslateでは、作業員が希望する言語で話し、メッセージをほぼリアルタイムで他の言語に翻訳できます。配送センターの始業時ミーティングでは、英語、スペイン語、ベトナム語を話す従業員に、作業の優先事項、在庫の問題、品質上の懸念、安全上の注意を直接伝えられます。仲介役を通じて伝える際にかかる時間や、誤解が生じる可能性を抑えられます。

Relayによると、翻訳機能の導入後、英語とスペイン語を話す従業員の間で相互理解が深まり、連携や生産量の向上につながったと倉庫管理者が報告しました。従業員200人で2交代制の配送センターを想定し、5人の監督者が毎日15分ずつ、通訳を頼めるバイリンガル従業員を探す場合、年間の監督者の作業時間は625時間を超えます。人件費を福利厚生など込みで時給40ドルとすると、処理量の向上、ミスの減少、遅延の縮小を考慮する前でも、間接人件費は約2万5,000ドルに上ります。

フォークリフトの往来、危険物、避難、事故報告に関する連絡では、誤解が重大な結果を招く可能性があるため、明確な意思疎通が重要です。翻訳機能を備えた連絡ツールは、新人が希望する言語で業務を学ぶ助けとなり、研修時間の短縮や自信の向上につながる可能性があります。Relay、Zebra Workforce Connect、Microsoft Teams Walkie Talkie、Theatro、Honeywell Voice、WorkJamなどの企業は、デスクを持たない従業員向けツールを拡充しています。AIによる言語翻訳は、プッシュ・ツー・トークや作業管理に加え、言語の壁に対応する手段となります。

翻訳は、従業員が質問や提案をし、チームの話し合いに参加しやすくすることで、職場への包摂を支える可能性があります。従業員の関与と定着は、企業にとって戦略上の優先課題とされています。倉庫の自動化では、ロボット、自動倉庫システム(ASRS)、自律移動ロボット、倉庫管理ソフトウェアなどによる製品の移動が中心で、従業員間の連絡は自動化が進んでいません。AIを活用した連絡ツールは倉庫や製造現場で普及する可能性があり、従業員と業務への効果を測定できれば、音声翻訳がデジタル倉庫技術の一部になる可能性があります。