Sakana AI、エージェント基盤Aquariumを発表

Sakana AI2026年10月23日 (金)
Sakana AI、エージェント基盤Aquariumを発表
  • •Sakana AI、意思決定と実行を支援するAIエージェント基盤「Aquarium」を発表
  • •Ontology、Governance、Managed Agentsの3機能で情報接続や承認、実行を管理
  • •金融機関との開発経験を基盤化し、今後は更新機能やAIによる構築支援を開発

Sakana AIは、組織の意思決定と実行を支援するAIエージェント構築・運用プラットフォーム「Sakana Aquarium」を発表しました。組織ごとに異なる判断の前提をAIが扱える形に整え、情報の確認から判断、実行までを担うエージェントを動かします。中核はOntology、Governance、Managed Agentsの3つの仕組みです。

Ontologyは、判断を支える知識・ルール・データを意味や相互関係とともに体系化します。テーブルや文書など形式の異なる情報を、既存の保存先から移し替えずに接続し、更新も反映するため、エージェントは最新の状況をもとに判断できます。Governanceはデータ、オントロジー、エージェントを統制し、アクセス権限や実行前承認を設定します。判断根拠から実行結果までを記録し、実行速度・精度やモデル利用状況も把握できます。

Managed Agentsは、オントロジー上の情報をもとにタスクを実行する基盤です。情報参照、AIによる判断、関数実行、人の承認をワークフローとして記述すればデプロイでき、エージェントのライフサイクル全体を管理します。整備したデータとオントロジーは別のエージェントでも再利用できるため、業務ごとのエージェントを素早く立ち上げ、同じ基盤で管理できます。多くの魚が一つの水槽で整えられた環境を泳ぐ姿になぞらえ、Aquariumと名付けました。

Sakana AIは、組織のデータや文書をAIが読み取り、意思決定に幅広い情報を活用できるようにすると説明しています。更新情報をもとに状況を把握することで、各所から情報を集め直す負担を減らし、判断と対応に集中できるとしています。定められた権限とルールのもとでAIが確認から実行までを担い、必要な箇所では人が承認します。AIが参照した情報、判断、承認、実行結果を記録からたどり、手順の見直しにもつなげられます。

同社は設立以来、推論時スケーリング、複数モデルの協調、自己改善など、モデルを大きくする以外の方法でAI能力を高める研究に取り組んできました。並行して、精度と説明責任が求められる金融分野などで実装を重ね、三菱UFJ銀行とのAI融資エキスパート、SMBCグループとの提案書自動生成、大和証券グループとの共同開発を進めてきました。各案件ではFDE(現場に入り導入を支援する技術者)がデータや手順を理解し、ワークフロー設計、評価、精度改善を担いました。

案件ごとにデータ接続や用語、判断基準の整理を一から繰り返す課題を受け、Aquariumはその作業を組織内で共通利用できる基盤にまとめました。開発には、Sakana AIで実装を担ったAREやFDEに加え、Palantir、Snowflake、Microsoft、AWSなどでデータ基盤やガバナンスを構築してきたメンバーが参加しています。同社は今後、運用で生まれる修正や判断を取り込み、組織の変化に応じてオントロジーとエージェントを更新する仕組みや、エージェント構築をAIが支援する仕組みの開発を進めます。FDEが顧客と構築・検証を重ね、一つの業務から組織全体へ活用を広げる方針で、活用事例も順次紹介するとしています。