Sakana AI、5職種向けOpen House開催
- •Sakana AI、2026年10月5日に2回目のエンジニア向けOpen House開催
- •5職種の社員が仕事内容を説明、GTMチームは2026年9月に発足
- •採用を現在の2倍以上に拡大する考え、大規模モデルの事前学習も計画
Sakana AIは2026年10月5日、エンジニア向けのOpen Houseを開催しました。2回目となる今回は、Applied Research Engineer、Forward Deployed Engineer、Software Engineer、Solution Engineer、Cybersecurity Engineerの5職種を対象に、各職種の社員が仕事内容や面白さを説明し、参加者からの質問に答えました。
共同創業者兼CEOのDavid Haは、日本から世界で競争できるAI企業をつくる方針を示しました。同社は事前学習、事後学習、オーケストレーションの3層でAI主権の確立を進めています。事前学習では日本独自のエージェント・ネイティブLLMをゼロから開発し、事後学習ではNamazuで海外モデルを日本の文化や習慣に適応させます。オーケストレーションでは、地政学リスクなどで海外モデルが使えなくなる場合に備え、複数モデルを切り替えるFuguを展開しています。直近半年にSakana Chat、Sakana Marlin、Sakana Fugu、Sakana Translateを加え、今後はエンタープライズ、政府・防衛、プロダクトの各事業を柱にすると説明しました。
Applied Teamの金融領域はMUFG、大和証券グループ、SMBCグループなどと連携し、中期経営計画、マクロ環境分析、M&A提案、高度な与信判断といった意思決定を支援しています。数百から数千のデータソースを統合し、数億円規模以上の影響やリスクを伴う判断を支えるといいます。元投資銀行員や戦略コンサルタントなどの専門家がエンジニアと開発し、顧客案件で得た課題や資産をプラットフォームに反映する仕組みです。取り組みは金融以外にサイバーセキュリティや製造業にも広がっています。
Product Teamは、Sakana Chat、Sakana Marlin、Sakana Fugu、Sakana Translate、Sakana Namazuを半年で開発し、Applied Teamの顧客案件やResearchのアイデアを製品化しています。チームは20名強で、日本、インド、中国などの出身者が在籍し、コンシューマー向けとエンタープライズ向けの製品ごとにビジネスリードと技術リードを置いています。GTM Teamは2026年9月に発足し、Account Executive 3名とForward Deployed Engineer数名で構成されています。顧客の課題を探索し、試作品の提示から既存システムへの統合まで支援し、顧客の声をProductやResearchに戻します。
防衛領域では、防衛省情報本部とのAI機能の調査・実証や、防衛装備庁の防衛イノベーション科学技術研究所との委託研究が紹介されました。担当者は、自国でモデルを持つことに加え、複数モデルを評価・選択・統合し、利用できなくなったモデルから別モデルへ切り替える「AI主権」が安全保障で重要だと説明しました。
5職種の説明では、Applied Research Engineerがソリューションの技術的な中核を担い、Forward Deployed Engineerが顧客業務を理解して設計や精度改善を進めるとされました。Software EngineerはAI製品や基盤を構築し、Solution Engineerは顧客環境への導入と運用を担います。Cybersecurity Engineerは開発工程の早期からの対策、データ保護、脆弱性評価や管理を進めます。金融案件を担当するApplied Research Engineerの村上直輝は週2〜3日顧客オフィスで実データを使い、太田真人は1案件に約10人を配置する金融チームの体制を説明しました。Kriti Agarwalはエージェントのハーネスやメモリの開発を担当し、岩井龍之介は検索基盤、数時間続く処理を支える実行環境、長期記憶用のナレッジベースを挙げました。
防衛領域のSoftware Engineerは顧客訪問や業務の聞き取りも行い、ネットワーク、ドローン、データ統合を含むシステムを設計すると説明しました。Solution Engineerは要件定義やKubernetes、CI/CDなどの基盤構築を担い、試験導入で終わらず顧客業務で稼働し続ける状態を目指します。Cybersecurity Engineerは金融、防衛、製品のセキュリティ要件に対応し、クラウド環境や社内ITの対策、顧客向けセキュリティ案件にも携わります。
質疑応答では、基本的にエンジニア1人が1案件を担当し、希望や能力に応じて複数案件にも関われると回答しました。英語は必須ではありませんが、Researchチームの共通言語や海外案件で役立つとしました。AI開発経験がない人も応募できますが、選考では経験の差を埋められるかを確認します。防衛・金融案件では500〜600項目のチェックリストに対応し、高機密レベルのシステム構築を方針に掲げています。Fugu、Namazu、AB-MCTSのようにResearchの技術をProductが展開し、Appliedも活用する連携例も説明されました。
採用人数は具体的に示さなかったものの、エンジニアを現在の2倍以上に増やす考えを明らかにしました。製品はすでに海外向けに販売活動を行い、海外金融機関へのソリューション提供も協議中ですが、海外拠点の具体的計画は未公表です。計算資源の差がある一方でGPUの確保を進めており、今後は大規模モデルの事前学習と規模拡大を計画しています。紹介された職種はいずれも採用中です。