トーバルズ氏、Claude CodeでLinux読み取り改善
- •トーバルズ氏、Claude Codeを使ったLinuxファイル読み取り改善パッチを開発
- •8スレッドの特定テストで毎秒約990万〜1040万回から約3100万〜3300万回に増加
- •変更は開発ブランチで公開、Linux 7.4向け採用は未確定
Linuxカーネルの生みの親リーナス・トーバルズ氏は、AnthropicのAIコーディング支援ツールClaude Codeを使い、ファイル読み取り処理を改善するパッチを開発しています。Linux関連メディアPhoronixが米国時間の2026年10月11日に報じました。トーバルズ氏の開発記録には、コードやテストプログラム、説明文の初稿などにClaude Codeを使ったと記されています。
Phoronixが確認したのは、トーバルズ氏のリポジトリで公開された「noref-filemap-read-with-llm」という開発ブランチです。複数のスレッドが同じファイルから少量のデータを読む際の競合を減らす変更が含まれています。トーバルズ氏は10月10日付のコミット説明で、自身の指示の下、コードとテストプログラムの作成に加え、既知の問題を整理するレビューや説明文の初稿にもClaude Codeを使ったと説明しました。性能測定は自身のマシンで行ったとしています。
変更の対象は、ファイルデータをメモリ上に保持するページキャッシュからの読み取りです。従来は複数のスレッドが同じデータを読むと、メモリ管理用の参照カウント更新が競合し、処理のボトルネックになっていました。新しい処理経路では、キャッシュから取り除いたメモリを再利用するまで猶予を設け、読み取り時の参照カウント更新を省いてデータを直接コピーします。
実装パッチの説明によると、トーバルズ氏は4コア・8スレッドのIntel Core i7-8565U搭載ノートPCで、同じファイルの先頭から16バイトずつ読むテストをしました。8スレッドでの読み取り回数は、変更前の毎秒約990万〜1040万回から、変更後は毎秒約3100万〜3300万回に増えました。これは特定の処理と測定環境での結果で、Linux全体の性能が約3倍になることを示すものではありません。
説明には、測定時に一部のセキュリティ緩和策と、メモリコピーの安全性を確認する「CONFIG_HARDENED_USERCOPY」を無効にしたことも記されています。読み取り先のメモリ領域に物理メモリを割り当てる必要がある場合など、ページフォールト(必要なメモリを読み込む処理)が起きる条件では、処理コストが増えるとしています。変更は開発ブランチで公開された段階で、PhoronixはLinux 7.4に向けた変更の取り込み期間に採用されるかを今後の確認点に挙げました。なお、ページキャッシュはファイルデータをメモリに一時保持し、読み取りを効率化する仕組みです。