元OpenAI研究者の新AI「Jev」、最大200倍の高速化とハルシネーション排除を実現
- •TypeSafe AI、自動化特化モデル「Jev」の早期アクセスを開始
- •並列サンプリング採用で応答速度を最大200倍高速化、コストも大幅削減
- •出力形式の事前固定により、ハルシネーションと型エラーを数学的に排除
米国AIスタートアップのTypeSafe AIは2026年9月15日、自動化に特化した「System One Model」および第1弾モデル「Jev」の早期アクセス提供を開始した。同社はOpenAIでChatGPTの基盤開発を主導したディオゴ・アルメイダ(Diogo Almeida)氏が創設。Jevは経済学者ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズにちなみ命名され、AI利用コスト低減によるソフトウェア自動化の爆発的拡大を狙う。
Jevは、従来のLLMのように自由なテキストを生成するのではなく、非構造化データやプログラムの状態を入力し、定義された型に沿った構造化データを直接返す「関数呼び出し」に特化する。この設計により、プログラム側でのパースやバリデーションが不要となり、数学的に型エラーやハルシネーション(誤情報生成)が発生しない構造を実現した。学習には「RLCD(調整された判断のための強化学習)」を用い、全出力に対して較正された信頼度スコアと不確実性を付与する。
サンプリング面では、従来の自己回帰型ではなく、出力構造を事前確定させる「並列サンプラー」を採用した。これにより、応答時間は従来のLLMの3~329秒に対し70~500ミリ秒まで短縮され、System One型タスクにおいて最大200倍の高速化を達成した。コスト面でも大幅な低減を実現し、入力100万トークン当たり0.042ドルという価格設定で提供される。
業務ワークフローの評価では、GPT-6 AstraやFable 5.1などの外部フロンティアモデルを基準とした比較で、最大193.6倍の高速化と444.6倍のコスト削減を記録した。同社は、インテリジェントな条件分岐、ペタバイト級のビッグデータ処理、リアルタイムアプリケーションなどの領域での活用を想定している。実証例として、FPSゲーム「DOOM」でのリアルタイム行動判断や、大規模な経路選択タスクでのエラーゼロ運用を公開した。