XBOW、Chromeの脆弱性報奨金25万ドルを獲得

TNW2026年10月18日 (日)
  • •GPT-5.6 SolのAIエージェントを使った攻撃チェーンで、XBOWがGoogleから25万ドルを獲得
  • •Chromeの3件の脆弱性により、ページを読み込むだけでWindowsのブラウザー隔離領域外でコード実行が可能に
  • •開発に6日、計算費用は約4万ドル。Googleは修正済みで、XBOWは悪用されていないと説明

XBOWは10月13日、OpenAIのGPT-5.6 Solを実行するAIエージェントで攻撃コードを構築し、GoogleのChrome脆弱性報奨金制度から25万ドルを獲得したと発表しました。攻撃は未公表だったChromeの脆弱性3件を連鎖させるもので、Windowsでウェブページを読み込むだけで、クリックやダウンロードなしにChromeのサンドボックス(プログラムを隔離して動かす仕組み)の外でコードを実行できました。Googleは3件すべてを修正済みで、XBOWによるとChrome利用者への悪用はありませんでした。同社は修正前、この欠陥がWindows版Chromeの利用者約10億人を危険にさらしていたと推定しています。また、Googleが2026年4月に導入した規則の下で、完全な攻撃チェーンに対するChrome報奨金として初の受賞だと説明しました。

研究者のブレンダン・ドーラン=ギャビット(Brendan Dolan-Gavitt)とAIエージェントは、ラスベガスでBlack HatとDEF CONが開かれていた8月2日から7日までの6日間で、受賞対象の攻撃チェーンを構築しました。XBOWは利用記録を基に、計算費用を約4万ドルと見積もっています。開発には数カ月の準備があり、CEOのオーゲ・デ・ムーア(Oege de Moor)が2026年初め、マルタでの社内会議で課題を提示しました。ドーラン=ギャビット、アンドレス・ルクセンバーグ(Andrés Luksenberg)、バウル・リー、ウィレム・ピンケルスの4人が取り組みました。最初の攻撃チェーンは、Googleがすでに把握していた脆弱性を含んでいたため失敗し、予備段階の脆弱性に置き換えられました。エージェントはChromeのソースコードを調べ、案を試し、概念実証を作成して各段階の草案を作りました。研究者は標的を選び、背景情報を与え、結果を検証し、組み合わせる内容を決めました。

攻撃チェーンは2つのサンドボックスを突破しました。V8のMaglevコンパイラーの不具合でV8の隔離領域内を読み書きできるようになり、アニメーションWebPデコーダーの不具合で選んだデータを隔離領域の外に書き込み、Crashpadの不具合を利用して完全なコード実行につなげました。Chrome 152のリリースノートは、深刻度が「高」と評価されたCrashpadの脆弱性CVE-2026-78952について、ドーラン=ギャビットの功績を記載しました。修正は8月25日と9月3日のChrome更新で配信されましたが、適用にはブラウザーの再起動が必要です。Googleは9月、攻撃者がすでに悪用していた別のV8の脆弱性も修正しました。

OpenAIは7月にGPT-5.6を全利用者に公開し、8月にはサイバーリスクを理由にモデルの提供を一時停止しました。デ・ムーアは、XBOWが一般に利用可能なモデルを使ったことから、強力なモデルを制限することが正しい問いではないと主張しています。また、エージェントが単独で3件それぞれの脆弱性を発見するまで、1年以内になると予想しています。OpenAIのサイバー研究責任者クリント・ギブラー(Clint Gibler)は、防御側が重大な脆弱性をより速く見つけて修正できるよう支援したいと述べました。ドーラン=ギャビットは、Chromeの攻撃チェーンを得られるなら、6日間と4万ドルはわずかな時間と費用だと警告しています。