Anthropic共同創業者が提唱する「ループエンジニアリング」
- •Anthropic共同創業者のボリス・チェルニーは、プロンプトエンジニアリングから「ループエンジニアリング」への移行を提唱している。
- •ループエンジニアリングは、AIが自ら指示を管理・洗練させる自律的なエージェントワークフローを構築する手法である。
- •専門家は、マルチエージェントシステムへの依存度が高まることで、トークン消費量やインフラコストが増加する可能性があると警告している。
Anthropicの共同創業者ボリス・チェルニー(Boris Cherny)は、手作業によるプロンプトエンジニアリングが時代遅れになり、代わって「ループエンジニアリング」という手法が主流になると予測している。この手法では、ユーザーは個別のプロンプトを記述するのではなく、AIエージェントが自律的に指示を管理できるようにするための体系的なワークフローを設計する。チェルニーは、自ら直接プロンプトを書く代わりに、必要な指示を生成して他のAIシステムにタスクを自動実行させるAIエージェントを構築していると説明する。
ループエンジニアリングは、AIが定義された目標に向かって自らの指示を改良し続ける循環的なワークフローに依存する。この転換を支持する開発者のピーター・スタインバーガー(Peter Steinberger)は、コーディングエージェントを自動的に導くループの構築を提案し、Googleのアディ・オスマニ(Addy Osmani)はこの実践を自動化ツール、プラグイン、スキル、専門的なサブエージェントの統合であると定義している。ChatPRDの創業者クレア・ヴォー(Claire Vo)は、この管理重視のワークフローを人間を雇い入れるプロセスになぞらえ、ユーザーがアシスタントや顧客サービス、ソフトウェアエンジニアリングなどのエージェントに対し役割を割り当てるマネージャーの役割を果たすと述べている。
これらのシステムの実装例として、あるエージェントがコードを書き、別のエージェントがそれをレビューするような協調タスクや、人間が介入せずにリポジトリを常時監視してタスクを割り当てる自律型ツールなどが挙げられる。支持者は、これらのループがAIを独立したスタッフのように機能させる手段だと見なしているが、運用上の課題も大きい。専門家は、複数のエージェントやサブエージェントの利用がAIコストを大幅に引き上げる可能性を指摘しており、企業はトークン使用量やインフラ費用を慎重に管理する必要がある。またチェルニーは、現代のAI開発が要求する技術的複雑さを表現するには、一般に浸透している「バイブコーディング」という用語は不十分だと主張している。