Anthropic所属数学者、AIで87年来の難問「ヤコビアン予想」を否定
Ledge AI
2026年7月27日 (月)
- •Anthropicの数学者がClaude Fable 5を用いてヤコビアン予想の反例を発見
- •3つの複素変数による多項式写像でヤコビアン行列式−2かつ逆写像が存在しないことを証明
- •SageMathやLeanで検証が進むも、Anthropicとしての公式研究発表ではないと説明
Anthropic所属の数学者レベント・アルポゲ(Levent Alpoge)氏は2026年7月20日、AIモデル「Claude Fable 5」を活用し、1939年以来未解決であった「ヤコビアン予想」に対する反例を発見したと自身のXで報告した。同予想は、複数の変数を持つ多項式写像においてヤコビアン行列式がゼロではない一定値であれば、その写像には逆写像が存在するという数学的命題である。
アルポゲ氏が提示した3つの複素変数を扱う多項式写像では、ヤコビアン行列式がどの入力に対しても定数「−2」となる一方で、3つの異なる入力が同一の出力へ対応する。この結果、逆写像が一意に定まらないため、3変数以上の場合において同予想が否定された。この反例は、不要な変数をそのまま出力する成分を追加することで4変数以上にも拡張可能であり、一般の予想も成立しないことが示された。なお、2変数の場合については現在も未解決のままである。
現在、数学ソフトウェア「SageMath」のGitHubでは本反例を自動検証するテストコードが公開されており、Google DeepMindが管理するGitHub上でも定理証明支援系「Lean」を用いた形式化が進められている。ただし、今回の成果はアルポゲ氏個人による報告であり、Anthropicの公式研究発表ではない。また、Claudeとの対話ログや試行回数などの具体的な作業過程は現時点で未公開となっている。