米国、AnthropicのFable 5とMythos 5の輸出制限を解除
- •米国政府がAnthropicのClaude Fable 5およびMythos 5モデルに対する輸出規制を解除した。
- •Anthropicは新たなセキュリティ検知プロトコルへの準拠と米国当局との協力を合意した。
- •Legion LegalTech Corpが、6月12日の禁止措置による事業中断を理由に政府を提訴した。
米国政府は、6月12日から続いていたAnthropicの高性能AIモデル「Claude Fable 5」および「Claude Mythos 5」に対する輸出制限を解除した。Anthropicは公式Xアカウントを通じ、米国商務省からこれらシステムの利用再開承認を得たと発表した。同社は即座にアクセス復旧を開始し、今後の展開プロセスについて随時情報を更新する予定である。
この制限は当初、トランプ政権が中国やロシアの軍事・諜報機関による悪用を懸念し、国家安全保障上の理由から導入したものだった。全面解除に先立ち、当局は一部の米国組織に対して「Mythos 5」への限定的なアクセス権を付与していた。ハワード・ラトニック商務長官は今回の決定について、Anthropicがセキュリティリスクの検知を強化し、現行および将来のリリースにおいて政府の定めたプロトコルを厳格に遵守すると約束したと説明した。
今回の禁止措置は業界から強い批判を浴び、OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)最高経営責任者は、政府がAI顧客の選別に関与することに異議を唱えていた。また、リージョン・リーガルテック(Legion LegalTech Corp)は6月24日、同社の法務支援ソフト開発にこれらのモデルが必要不可欠であるとして、事業停止による損害を主張しワシントンで提訴した。制限期間中、中国の360セキュリティ・テクノロジーは、Mythosモデルと同等の性能を謳う「Tulongfeng」や「Yitianzhen」といった競合ツールをリリースしている。さらにオーストリアは、域外のAI政策決定への依存を減らすため、Anthropicの欧州展開を支援するよう欧州連合へ要請した。
一連の経緯は、高度なAI開発、国家安全保障、そして国際的な地政学競争の境界線が強まっていることを示している。モデルの運用再開に伴い、業界は高性能AIシステムの展開に対する監視強化に直面している。