次世代AIモデル、サイバーセキュリティの脅威が浮上
- •AnthropicのMythosとOpenAIのGPT-5.5が、脆弱性検知で人間を凌駕するハッキング能力を実証した。
- •英国AI安全研究所の試験で、Mythosが60%、GPT-5.5が30%の確率で企業ネットワークへの侵入に成功した。
- •ドナルド・トランプ大統領は、産業イノベーションへの影響を懸念し、AIモデル試験に関する大統領令を延期した。
Anthropicが開発したMythosとOpenAIのGPT-5.5が、高度なサイバーハッキング能力を実証し、グローバルなデジタルセキュリティの在り方を根本から変える可能性が指摘されている。管理された環境下で行われたテストでは、これらのモデルは人間や既存のセキュリティツールを上回る速度で脆弱性を特定・悪用した。Anthropicの報告によると、Mythosは主要OSやウェブブラウザ全体で数千件の深刻な脆弱性を発見しており、その能力は2020年に発生したSolarWinds事件と同等の攻撃を四半期ごとに実行可能な水準にあると分析されている。
サイバーセキュリティ専門家の評価によれば、これらのモデルはこれまで高度なスキルを持つアプリケーションセキュリティエンジニアに限定されていた作業を遂行する。MythosはAppleのMacOSのセキュリティ対策を数日で突破したほか、個人銀行口座への侵入事例も示された。英国AI安全研究所のテストでは、Mythosは10回中6回、GPT-5.5は10回中3回の試行で企業ネットワークの乗っ取りに成功した。パロアルトネットワークス、Semgrep、Qualysなどの業界リーダーは、これらのツールがソフトウェアリリース前のバグ発見に役立つ一方、攻撃者にとって圧倒的に有利に働く点を強調している。
中国による産業規模の蒸留攻撃(Distillation attacks)への懸念など、国家レベルの悪用リスクが高まる中、防御戦略の強化が急務となっている。しかし、米国連邦政府の規制の動きは依然として流動的だ。2026年5月24日には、ドナルド・トランプ大統領が高度AIモデルの試験プロセス確立を目的とした大統領令を延期したと報じられた。この背景には、規制が業界のイノベーションを阻害するとの懸念がある。専門家は、モデルの急速な進化に対応するため、AI駆動型の新しいセキュリティパラダイムに向けたさらなる投資と注視が必要だと警告している。