AnthropicとOpenAI、AI規制巡り中間選挙に3700万ドル投入
- •AI関連のスーパーPACが2026年議会予備選で3700万ドル超を支出した。
- •OpenAIとAnthropicの関連団体は、AI規制の主導権を巡り候補者選定で対立している。
- •連邦当局は6月12日、Anthropicに対しMythos 5とFable 5モデルの海外アクセス制限を命じた。
AnthropicとOpenAIに関連するスーパーPACのネットワークは、連邦政府のAI政策に影響を与えるため、2026年の議会予備選で3700万ドル以上の資金を投じている。連邦選挙委員会(FEC)の開示資料によれば、6月15日までの支出額は、OpenAI系団体の「Think Big PAC」が1410万ドル、「American Mission」が800万ドルに達した。一方、Anthropic系の「Jobs and Democracy」と「Defending Our Values」は、それぞれ1100万ドルと520万ドルを費やしている。
両陣営は双方の主要政党の候補を支援するが、ジェリー・ナドラー下院議員の後任を決めるマンハッタンの民主党予備選では激しく対立した。争点はニューヨーク州議会議員のアレックス・ボレスが起草した「RAISE法」にある。同法は2025年12月に成立し、大手AI開発企業に対し、安全プロトコルやインシデントを72時間以内に州規制当局へ報告することを義務付けている。OpenAI系のネットワーク「Leading the Future」は、ボレス氏の攻撃に700万ドル以上を費やしたが、Anthropic系団体も同等の資金を投じてボレス氏を擁護した。
この支出の背景には、両社の根本的な政策的な不一致がある。OpenAIは連邦レベルでの一元的なAI規制を主張する一方、Anthropicはニューヨークやカリフォルニアのような州レベルの規制も支持している。この影響力は都市部以外にも及び、6月2日に行われたモンタナ州第1選挙区の共和党予備選では、OpenAI系スーパーPACがアーロン・フリント候補に約87万7000ドルを投じ、元州上院議員のアル・オルシェウスキーを破る原動力となった。
これらの政治活動は、AI企業に対する連邦政府の監視強化と同時進行している。ハワード・ラトニック商務長官は6月12日、新たな輸出管理規制に基づき、Anthropicに対してMythos 5およびFable 5モデルへの海外アクセスを無効化するよう命じた。これは2025年12月にトランプ政権が発した、国策と矛盾する州レベルのAI規制に異議を唱える大統領令に沿った措置である。巨額の投資にもかかわらず、両ネットワークは広告においてAI技術の詳細には触れず、候補者の経歴やより広範な政策テーマに焦点を当てる戦略をとっている。