オーストラリア、AI開発者に安全確保の法的義務を課す
perthnow.com.au
2026年7月21日 (火)
- •オーストラリア政府は大手テック企業のAI開発者に対し、デジタル上の注意義務を法的に義務付ける。
- •新設されるAI局が、国家の安全と公共の利益を保護するための全国的な標準を策定する。
- •政策は職場環境の安全性や小売業での監視に基づく価格設定モデルのほか、既存のディープフェイク禁止措置を対象とする。
オーストラリア労働党政権は、大手テック企業に対しAIシステムへの安全メカニズムの統合を義務付ける「デジタル上の注意義務(Digital Duty of Care)」法案を導入する。2026年7月19日に発表されたこの方針は、国家の利益と安全を守るための全国基準を策定する新たな「AI局(Office for AI)」設置計画の一環である。この取り組みは、潜在的なリスクに先手を打つことで、AIの開発と社会実装に対する公共の信頼を醸成することを目的としている。
政府の優先事項には、AI職場雇用フォーラムによる職場環境の安全分析が含まれる。当局はまた、閲覧履歴、位置情報、行動パターンといった変数に基づき個人ごとに価格を調整する「小売監視価格設定(retail surveillance pricing)」の手法も監視対象としている。さらに連邦政府機関全体における自動意思決定の利用を統制するためのフレームワークも構築中である。
これらの施策は、AIで作成された合成メディアによる同意のない性的なディープフェイクの共有を犯罪とする既存の規制を基盤としている。政府は人物の画像を本人の同意なく加工して生成するアプリケーションの禁止に向けた取り組みも進めている。アンソニー・アルバニージ(Anthony Albanese)首相は、AIは社会経済に大きな利益をもたらす一方、職場や学習環境の安全性を確保するため慎重に活用されるべきだと強調した。