Google、I/O 2026で科学・医療・環境分野のAIツールを発表
- •Google Researchは科学研究を加速するGemini for Scienceを発表し、ERAやCo-Scientistといったエージェントツールを公開した。
- •医療分野ではSymptom AIが臨床医を上回る評価を得たほか、MedGemmaは500万ダウンロードを突破した。
- •エネルギー効率に優れたCoralboardや、ハリケーン予測を行うWeatherNext、洪水予測のGroundsourceなど環境技術も披露された。
Googleは「Google I/O 2026」において、科学的発見、医療、環境回復を加速させるエージェント型のツール群とモデルを発表した。科学分野では「Gemini for Science」を導入し、学術誌Natureに掲載された「ERA(Empirical Research Assistance)」と「Co-Scientist」を公開した。ERAは数千のコードバリエーションを反復的に最適化する研究コーディングエンジンとして機能し、Co-Scientistは専門エージェントが仮説の生成と評価を担う。これらは神経科学や宇宙論、抗菌薬研究などで成果を上げている。
医療分野では「Symptom AI」が導入され、1万3917人の参加者によるブラインドテストで臨床医の2倍の選好度を記録した。また、マルチエージェントシステムである「AMIE」は、ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターでマルチモーダルな医療データ分析に活用されている。臨床推論と画像解析を目的としたオープンウェイトモデル「MedGemma」は、現在までに500万ダウンロードを達成した。
ハードウェアと環境分野では、シナプティクス(Synaptics)が製造し、Coral NPUを搭載した「Coralboard」がエッジAIの効率的な活用を可能にした。この技術はモントレーベイ水族館の画像検出で実証されている。さらに「WeatherNext」は、2025年10月に発生したハリケーン「メリッサ」の経路と勢力を5日前に予測した。洪水予測においても、過去20年分の報道から260万件のデータセットを構築した「Groundsource」が、150カ国、20億人の洪水リスク緩和に貢献している。
最後に、Geminiモデルの中核性能である事実性と複雑な推論能力も強化された。LLMの整合性を評価する「FACTS」ベンチマークの拡充や、長文脈処理の進展により、複雑なユーザーの検索体験を支援する。また、実験的ツールの「Paper Assistant Tool(PAT)」は、ICMLやNeurIPSといった学会で1万本以上の論文を精査し、理論的なギャップの特定を支援している。