LTX、世界モデル「LTX-2.5」公開
- •LTX、オープンウェイト世界モデル「LTX-2.5」を2026年8月11日公開
- •ネイティブ複数ショット生成、4K HDR、Gemma 4 12B採用に対応
- •22Bフルモデルと蒸留モデルをHugging Faceで公開、年間売上1000万ドル基準
LTXは2026年8月11日、オープンウェイトの世界モデル最新版「LTX-2.5」を公開した。映像と音声の生成、リアルタイム生成、ロボティクスでの活用を視野に入れたモデルで、ネイティブの複数ショット生成、4K HDR対応、プロンプト理解の強化を盛り込んだ。モデルの重みはHugging Faceで公開され、ComfyUIにも公開初日から対応した。
LTX-2.5では生成パイプラインの大部分が再構築され、新たなDiffusion Video Decoder(映像復元用の生成部品)が導入された。動きの大きな場面で起きる映像の破綻を抑え、顔や質感などのディテールを改善する狙いだ。従来モデルは基本的に1つの連続したショットを生成していたが、LTX-2.5は複数のカットからなるシーンを一度に生成でき、カットが切り替わっても人物、背景、照明、声、映像スタイルの一貫性を保つことを目指す。
テキストエンコーダーにはLTX向けに調整したGemma 4 12Bを採用した。複数人物、カメラワーク、照明、動作などを含む複雑なプロンプトへの追従性能を高め、短い指示をより詳細な映像生成用プロンプトに展開する機能も備える。シーンの複雑さに応じて計算資源を配分するDiffusion Fidelity Rendering、プロンプトから適切な動画の長さを予測する自動デュレーション機能、ネイティブ4K HDR、RAWワークフローにも対応した。公式モデルページでは、従来より少ない計算量でフルモデルに近い品質を目指した蒸留モデルも提供するとしている。
Hugging Faceでは22Bのフルモデルと蒸留モデルが公開されている。ユーザーは自社環境などでモデルを実行でき、自社データを使ったファインチューニングも可能だ。公式GitHubのLTX-2リポジトリでは、Pythonによる推論環境やLoRA(低コスト追加学習手法)の学習環境も公開されている。
LTX-2.5には独自の「LTX-2.x Community License」が適用される。年間売上1000万ドル未満の組織は一定条件下で商用・本番利用も無償だが、それを超える企業には別途ライセンスが必要だ。オープンウェイトは重みを入手できる一方、学習データや学習過程のすべてが公開されるとは限らず、モデルを一から再現できるとは限らない。
LTXはLTX-2.5を、映像生成だけでなくロボットなど現実世界で動くAI「Physical AI」にも活用できる世界モデルとみている。ただしHugging FaceのModel Cardでは、LTX-2.5の確立された用途は映像と音声の生成であり、ロボティクスやPhysical AIへの応用は「developing(発展途上)」とされている。