MIT、超小型ロボット向け省電力3Dマッピングチップを開発
- •MITが小型ロボットのリアルタイム3Dマッピングを実現する6ミリワットのチップ「Gleanmer」を開発した。
- •同チップはガウス楕円体を用いた障害物表現により、消費電力を既存システムの2.5%まで削減した。
- •Gleanmerは自律型ドローンやARヘッドセットの経路計画におけるエネルギー消費を80%削減する。
MITの研究チームは、小型のバッテリー駆動ロボットやデバイスが周囲の詳細な3Dマップをリアルタイムで生成できるシステムオンチップ「Gleanmer」を開発した。専用ハードウェアと効率的なマッピングアルゴリズムを組み合わせることで、わずか約6ミリワットの消費電力で高性能なナビゲーションを実現する。このエネルギー効率の高さにより、軽量な自律型ドローンやウェアラブルの拡張現実(AR)ヘッドセットでの運用を可能にした。
従来の3Dマッピングは、カメラで撮影した高解像度の深度画像を繰り返し処理する必要があるため、多大なメモリと電力を消費してきた。MITの研究チームは、この制限を克服するため、従来のボクセルではなくガウス(楕円状の塊)に基づく表現技術を採用した。この柔軟な楕円体は曲面や物体の形状により効果的に適応できるため、ストレージ要件を大幅に削減できる。また、独自のアルゴリズム「GMMap」は、各画素を隣接画素とのみ比較するシングルパス処理を行うため、画像全体をメモリに保持する必要がない。
このチップのアーキテクチャは、メモリを演算ユニットの直近に配置する共同設計によってエネルギー使用を最適化している。頻繁にアクセスされるガウスデータがチップ内に保持されるため、外部ストレージからの読み出しによる電力消費を防ぐ。多様な3D環境やiPhoneカメラからのライブデータを用いたテストでは、既存の最良マッピングチップと比較して消費電力を約2.5%に抑えた。さらに、コンパクトなガウスデータを経路計画に再利用することで、従来の手法と比較してエネルギー消費を約20%まで抑えつつ安全な軌道を算出できる。
IEEE大規模集積回路シンポジウム(IEEE Very Large-Scale Integrated Circuits Symposium)で発表されたこのプロジェクトは、超小型ハードウェアに継続的かつリアルタイムな空間認識機能をもたらすことを目的としている。研究チームは現在、処理ユニットを環境センサーのより近くに配置することでさらなる効率化を模索している。また、AIシステムが複雑な設計図をより効率的に理解できるよう、ガウスを用いて概略図を表現する手法についても調査を進める予定である。