OpenAIが中国を含む世界AI統治機関を提案
- •OpenAIは、中国を加盟国とする米国主導の世界的なAI統治機関の設立を提案した。
- •この取り組みは、国際原子力機関のモデルに基づいたAI安全基準の構築を目的としている。
- •ドナルド・トランプ大統領の2026年5月の北京公式訪問において、貿易や安全保障への懸念の中で協議が行われている。
OpenAIは、米国主導による中国を巻き込んだ世界的なAI統治機関の設立を提唱した。OpenAIのグローバル担当副社長であるクリス・レヘイン(Chris Lehane)は、2026年5月13日にワシントンで行われた説明会でこの枠組みを提案した。同氏は、米国が技術的優位性を活用し、より安全で強靭なAIシステムのための世界的な枠組みを構築する戦略的好機にあると主張した。
この構想は、核兵器の拡散を防ぐために国際的な安全基準を維持する国際原子力機関の仕組みをモデルとしている。OpenAIは、米国商務省のAI基準革新センターと、世界中で形成されている同様の安全研究所を連携させることで、この機関を設立できると示唆した。
今回の提案は、ドナルド・トランプ大統領が中国の習近平国家主席との高官協議のため北京を訪問する中でなされた。これは米国の指導者による9年ぶりの中国公式訪問となる。同行する代表団には政権高官に加え、エヌビディア(Nvidia Corp.)のCEOであるジェンスン・ファン(Jensen Huang)らビジネスリーダーも名を連ねている。AI統治が主要議題となる一方、米政権の立場は揺れ動いており、ホワイトハウス高官らはこれまで世界規模のAI統治枠組みに否定的な意向を示し、現在のサイバーセキュリティ大統領令でも導入前のレビューは義務ではなく任意を強調している。
両国間の協議では、米国AI企業による競争環境への懸念も議題となっている。OpenAIやアンスロピック(Anthropic)を含む企業は、中国の開発者が米国モデルの出力を利用し、安全策を欠いた競合システムを大幅に低コストで構築していると不満を表明してきた。さらに、アンスロピック(Anthropic)のAIモデル「Mythos」に関連する世界的サイバーリスクの報告を受け、内部政策が転換されたことも議論に影響を与えている。米国当局は中国との間にAI関連問題を定期的に協議する新たな対話チャネルを開設する意向を示しているが、貿易や地政学的緊張が続く中、具体的な協力体制は未定である。