医療AI規制、患者中心の権利保護を求める提言
news-medical.net
2026年6月29日 (月)
- •現在のリスクベースの医療AI規制では、個々の患者の利益を十分に保護できないとの指摘がなされた。
- •2025年に施行されたEUのAI法について、患者の自律性や長期的な影響を無視していると批判が上がっている。
- •患者の同意撤回権やセカンドオピニオンの権利など、具体的な患者側の権利保障が求められている。
2026年6月27日付の英国王立医学会誌(Journal of the Royal Society of Medicine)に掲載された論評は、現在の医療AIに対するリスクベースの規制枠組みでは患者の自律性を守るのに不十分であると論じている。著者らは、機械学習が臨床的な正確さを向上させる一方で、2025年に可決されたEUのAI法のような既存の措置は、システムの不透明性やバイアス、過剰または過小診療のリスクに対処できていないと主張する。EUのAI法は現在、医療AIを「高リスク」に分類し開発者への厳格な管理を課しているが、著者らは、このシステムレベルの焦点が個人の影響や長期的な体制への影響を看過していると強調している。
オールボー大学のデータ・AI倫理学教授であるトーマス・プロウ(Thomas Ploug)ら共著者は、規制が純粋な技術的安全性を超え、患者中心の権利へと軸足を移す必要があると訴える。この論評は、AIによる診断や治療計画を受ける患者のために、明確な説明を求める権利、同意の提供や撤回、セカンドオピニオンの取得、公開データに基づくスクリーニングの拒否権といった具体的な保護措置を提案している。著者らは、医療システム内でAI技術が進化し続ける中、これらの権利を確実に組み込むためには、臨床医、規制当局、患者支援団体間の緊急の連携が不可欠であると述べている。