米国防省、中国AI巡るOpenAI幹部の発言を批判
- •国防次官エミール・マイケル(Emil Michael)が、OpenAI幹部ディーン・W・ボール(Dean W. Ball)を「村の阿呆」と公に非難した。
- •ボール氏が中国製AIの導入を阻害するために規制を用いたFUD(恐怖・不確実性・疑念)戦略を提唱したことが対立の発端となった。
- •米国防省は、DeepSeek等の中国モデル制限は2026年の法案に基づく軍事ITネットワーク保護目的の措置であると明言した。
OpenAIの戦略担当責任者であるディーン・W・ボール(Dean W. Ball)が中国製AIモデルの管理方法について公的な発言を行い、国防省との間で激しい対立が生じている。ボール氏は、トランプ政権に対し「ソフトロー」や規制上の警告を活用し、DeepSeekのようなオープンソースの中国製モデル利用にFUD(根拠なき恐怖や不信感を植え付け、判断を鈍らせる手法)を醸成すべきだと提唱した。同氏の主張は、規制上のリスクを強調することで企業による中国製ツールの利用を抑制し、結果として国内のプロプライエタリ(私有ソフトウェア)企業を有利にする狙いがあった。この発言に対し、ホワイトハウスのAI顧問であるデビッド・サックス(David Sacks)は、規制の虜(特定企業が自己の利益のために規制当局を操作する状態)を助長するものだと批判した。
これに対し、エミール・マイケル(Emil Michael)国防次官はX(旧Twitter)上で激しく反論し、ボール氏を「村の阿呆」と呼び、自身の知性を「40ポイントほど」過大評価していると酷評した。マイケル次官は、国防省による中国製AIへの制限はボール氏が示唆したような秘密裏の陰謀ではなく、2026年に成立した法律という民主的なプロセスを経て定められたものだと強調した。この法律はDeepSeekやHigh Flyerモデルの使用を明確に制限しており、特定の条件下でのみ免除が認められている。
マイケル次官は、これらの措置が国防総省(DoD)のITネットワークが外国の敵対勢力のインフラに接続されるのを防ぐためのものだと強調した。また、こうした安全保障上の禁輸措置を、ボール氏が提唱したような商取引を目的とした規制操作と同列に扱うことを断固否定した。次官は、連邦政策の最優先事項はあくまで戦闘員ネットワークの安全確保であり、OpenAIの幹部が論じるような商業戦略とは無関係であるとの姿勢を貫いている。